ロンドン・ロック名所めぐり vol.11~「IV」と「アクアラング」そしてジミ
めずらしくハマースミス&シティ線に乗ります。生まれて初めてロンドンに行った時、泊まったホテルが「オルドゲイト・イースト駅」というところにあったのでこの路線はなんとなく愛着があるような気がします。しかし、そのホテルはインド人街の真っただ中にある安ホテルで、ホテルの中まで物乞いが入ってくるようなところでした。しかし、その物乞いの英語がものスゴイ訛りでホテルの人に英語に通訳してもらいました。
「金くれって言ってるよ」って。
この話は以前にどこかに書いたかな?もうひとつ覚えているのは、その晩の7時ごろ、ホテルの部屋に入るやいなやひとりで寂しいのでテレビをつけました。BBC。テレビから流れてきたのは大好きな10ccの「人生は野菜スープ(Life Is A Minestrone)」でした。当て振りのライブフィルム。このゴールデンタイムに10ccがテレビに出てる!「ウワ~、オレ今イギリスにいるんだ~」とその時実感しました。そのあとの番組ではちょうど、これまた大好きな黒澤明のドキュメンタリーが放映されて「アレ、オレ今イギリスにいるのかな?」なんて妙な気持ちに…。初渡英への期待は大いに膨らんだのでした。
さてハマースミス&シティ線、降りた駅はLadbroke Grove(ラドブローク・グローブ)というところ。
ジュリア・ロバーツとヒュー・グラントで有名になった「ノッティング・ヒル」にほど近いところです。
ロンドンの街を歩いているとフリーマーケットとかお祭りの露店みたいなものを容易に出くわします。これを見て歩くのがまた楽しいのだけれど、ここもそう。商店街というのかな?ポートベロー・マーケットという通り。アンティーク、ニュー・グッズ、果物と野菜…なんてエリア別に出ているお店が整理されています。中古レコード屋さんなんかもありましたが、ま、中古レコードやらCDは日本が一番ね、私の場合。リチャード・ブランソンの自伝を読むとヴァージン・レコードの事務所も昔この辺りにあったとか。
観光客もたくさん訪れているようで相当賑やか!天気悪!今にも泣き出しそうな空。イギリスは天気が悪いこともよく知られていますが、これがまた生半可なフリじゃない!でも傘を持って歩いている人を見かけないし、雨が降ってきても割合平気で濡れて歩いているし、あんまりフリが激しいとのんびりと雨宿りをしているし…。雨に対する感覚が日本人とは全然違う感じがするナァ。目指すのはこの裏通り。
ここです。スゲェ落書き…イヤ、それともこれちゃんとしたペインティングなのかな?
もともとは教会だった建物なのですが、ここはSarm West Recoding Studioといって頻繁にレコーディングが行なわれているところなのです。
しかも、レッド・ツェッペリンの『IV』やジェスロ・タルの『アクアラング』もここで録音されたとか!ここをイアン・アンダーソンが入ってったのかな?ストーンズとボブ・マーリーが同時にレコーディングをしていたこともあって、ボブ・マーリーはここに住んでいたそうです。
ちなみに数年前にイギリスのClassic Rock Magazineの2006年の4月号に『THE 100 GREATEST BRITISH ROCK ALBUMS EVER』というイギリスの音楽業界関係者による人気投票が発表されたことがありました。せっかくですからベスト10ぐらいは引用させてもらいましょうか?
第10位はFreeの『Fire And Water』。よっしゃ!ドマーシャル!
第9位がストーンズの『Exile On Main Street』。ま、いいんじゃん?
第8位はツェッペリンの『II』。マーシャル、順調順調!
第7位がこれまたツェッペリンの『Physical Graffiti』。当然!
第6位はビートルズの『Abbey Road』…『ロンドン・ロック名所めぐり』のVol.3を見てください!
第5位はボウイーの『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust Ant The Spiders From Mars』。これも当然上位に入るでしょう。異論なし。『ロンドン・ロック名所めぐり』のVol.8を見てください!ミック・ロンソンはマーシャルだったのかしらん?
第4位にパンク。セックス・ピストルズの『Never Mind The Bollocks, Here's The Sex Pistols』。コレってマーシャル使ってんのかな?一時はクリス・スぺディングがギターを弾いているとかいう噂があったけど本人に完全に否定されていたね。今聴くと普通のハードロックに聴こえるところがおもしろい。それがまた皮肉にも新鮮だったりして!
これよりベスト3!
第3位はPink Floydの『Dark Side Of The Moon 』。これも文句なしでしょう。マーシャル使っていようがいまいが、んなこたぁ関係ない。
第2位はThe Whoの『Who's Next』。マーシャルじゃないけどピートがマーシャルを作ったようなもんですからね。名盤です。これは絶対にDelux Editionがおすすめ。
そして栄えある第1位は…よっしゃ!来たぜマーシャル!! ツェッペリンの『Ⅳ』となっておりました。通に言わせると『Ⅰ』から『Ⅲ』までやったことのすべてが『Ⅳ』で昇華させたかららしい。ここで作られたんですよ~。ためになるネェ~。
このベスト10、ツェッペリンが3枚も入ってる。パープルは『In Rock』が最高位でそれでも13位。クイーンやシン・リジーが案外下の方でプログレは総崩れ。クリームというかクラプトン関連が弱いのが意外でしたね。それとAC/DCがイギリスのバンドとして扱われていた。ヤング兄弟がイギリス生まれだからかな?それとも…。
イギリス人ってツェッペリン好きなのネェ~。でもコレ飽くまでも音楽関係者が投票したアルバムの評価ということで決して人気投票ではありませんのでアシカラズ。
これのマイナー・バンド特集みたいのやったら面白いだろうにナァ。パリスとかグレイシャスとかボクサーとかMr.Bigとかストラップスとか…この辺りはいいバンド目白押しだから絶対面白いよ。
こんな住宅街なのにまったくスゴイ!ここでブリティッシュ・ロックの歴史がつくられていたとはネェ~。
斜め向かいにはこんなカラフルな家が…。
ポートベロー・マーケットを後にして丘を登って下ります。もう今にも泣き出しそうな空。でも、次の目的地が見つからない!何しろどこも同じような景色で…。それでも写真だけは撮っていると、どうでしょう80歳くらにはなろうかという、とても小綺麗にしているお婆ちゃんが近寄ってきた。「ヤバい!こんな住宅地で写真を撮ってるから怒られるかも!」と思いきや品のいい英語で、
「ちょっと、あなたどこからいらしたの?」と訊いてくる。
「あ、東京ッす」
「あら~日本から来たの~?それならどうして”サンシャイン”を持ってきてくださらなかったの~?」とおっしゃる。冗談なのかな、可愛いな。
「あの、東京って気温が30℃以上なんすよ。湿度も90%超えてムッチャ蒸し暑いし!僕はロンドンの方がいいナァ~」
と答えたら「アッラ~、そうなの~。そんなに暑いの~。それじゃ、持って来ないでね~」だって。
とこのお婆ちゃんのおかげかどうか、目的の建物が見つかった!下の写真の右手手前。
真ん中。1970年9月18日、ジミ・ヘンドリックスが嘔吐物を喉に詰まらせて意識不明になったところです。前日はソーホーのRonnie Scott's(『ロンドン・ロック名所めぐり vol.8』参照)に出ていたのに…。
以前は「サマルカンド・ホテル」といって、ジミはここにドイツ人の恋人、モニカ・ダンネマンと住んでいたのです。今はレンタル・フラットになっています。
また丘を登って下りるとノッティング・ヒルのエリア。
とても感じのいい街ですな。
つづく









































































































































