【FoZZtone 2 Days】 Lodestone Tour IV "at the NEW WORLD" at Tokyo Kinema Club
昨日に引き続いてFoZZtoneの『Lodestone Tour IV "at the NEW WORLD"』のレポート。
「鴬谷」という「上野」の隣りで隠れるようにして存在する山手線の一駅を皆さんはご存知だろうか?東京の方はご存知だろうが、地方に行けばまずその名前が挙がることはないであろう小さな駅だ。何せ山手線29駅中もっとも昇降客の少ない駅なのだから…。ところがライブハウス銀座の渋谷とは(スミマセン、駅名ばかりでややこしくなってきちゃった!)程遠い静かな場所にこの魅力的なライブハウスがあるのだ。
それが東京キネマ倶楽部。
昭和の時代に栄華を極めたキャバレーをライブハウスに改装したハコだ。昔のキャバレーは本当に立派だった。言っておきますけど、今でいう風俗とはワケが違いますからね。店内にはビッグバンドが上がれるステージがあって、フロアでは社交ダンスを楽しむ男女が華やかに舞う。そして、楽しいおしゃべりとおいしいお酒、最後に覚悟のお勘定。大昔、私の父もここには足繁く通ったやに聞いている。
だから雰囲気満点。駅から1分だし。今までにも越路姉妹やKelly SIMONZのライブレポートで何回かマーシャル・ブログにも登場しているが、評判が評判を呼び、多くのミュージシャンが「キネマに出たい!」と希望する都内でも人気のライブハウスになっている。
…と今日回は珍しく会場の解説からスタートした。何故ならこの東京キネマ倶楽部の雰囲気が今回のFoZZtoneのプログラムにあまりにもマッチしていたからなのだ。
暗転となったフロアに時計と鐘の音が鳴り響く。く、暗い…あわてて単焦点の明るいレンズに交換する。
今日のプログラムは3日前にLIQUID ROOMで演った内容とは全く別物だ。それはニューアルバム『NEW WORLD』の2枚目に収録されている内容をそのままライブで再現するというもの。タイトルも『Lodestone Tour IV "at the NEW WORLD" プレミアムライブ"組曲 白鯨”』と銘打たれた。これが荘厳な、ともすればミステリアスな会場の雰囲気にピッタリだったのだ。
渡會将士
竹尾典明
菅野信昭
武並"JJ"俊明
そして5人目のメンバーは元椿屋四重奏の安高拓郎だ。もちろんトラ。
「Ishmael said」、「明くる朝」、「HEY MR. BACKPACKER」、「オシュグッド」とCD通りに展開していく。
昨日も書いたが、いつでもどこでも竹ちゃんはSUPER100JH。今日ももちろんお供つかまつる。
その端正で美しくあたたかいサウンドは今日の演目にもピッタリだ。何も荒々しいサウンドだけがマーシャルのウリではないからね。
演奏に没頭する菅ちゃん。いつも真面目そうに見えるが、今日はもっとまじめそうに見える。
また暗転に時計と鐘の音。次のセクションにショウは進行する。
このセクションではアルバムに収録されていない「Heartbreak Hotel」を演ったり…こういうところがまたFoZZtoneのおもしろいところだ。以前もメンバーが影響を受けた先人の音楽を再現するライブをやったことがあった。
私はまったくプレスリー世代ではないし、「Heartbreak Hotel」を特段カッコいいと思ったことはないが、あまりにも強烈なアレンジで私の度肝を抜いたのはジョン・ケイルだった。アルバムは『June 1, 1974』。ケイルの後に収録されているニコの「The End」もかなりスゴイが…。後年知って驚いたのはビル・エヴァンスの名盤『Moonbeams』のジャケットの美女がニコなんだってネェ~。何であんなんなっちゃったんでしょうね?この2人ヴェルヴェット・アンダーグランドじゃん。
FoZZtoneのアレンジもカッコよかった。やっぱり名曲は強し…か。
そして、『組曲』は最終章へ。「missing mass」、「Strike the sun~fanfare」、「tempestoso~coda」暗転を挟んで「MorroW」。
最後までMCは一切なし。まるでやり直しのきかない墨絵のような真剣勝負の演奏会だった。
ステージ前の柵の中で写真を撮っていると、お客さんの顔がよく見える。一気に組曲を演奏仕上げた姿にハッキリ言って「?」マークが出ていた感じがなくもなかった…というより5人の真摯極まりない演奏に観ている方こそ緊張していたのかもしれない。
でも、こんなライブ最高じゃない? 騒ぐだけがライブじゃない。The Whoが『トミー』や『四重人格(一部サポート・ギターはGeoff Whitehornだった!)』を演奏したように、こうした物語性のある曲をレコードやCDと同じく演奏したいというのはいかにもFoZZtoneの意向らしいし、素晴らしい演奏だったと思う。でも、その根底には「たまにはジックリと演奏を聴こうよ!」という音楽に対するFoZZtoneのまじめなメッセージが横たわっていたのではないであろうか…。
ステージの演奏をよく聴いてごらん。ギターやシンバル・レガートの音色、歌い手のブレス、スリリングなアドリブ・ソロのメロディ…「ワーワー」大声を出して飛び跳ねてばかりいる以外にも生演奏ならではの楽しみがたくさんあることを知るだろう!
でもバンドもバンドで、すぐ「おまえら行けんのか~?!」だもんね。そういう意味でもこのライブは稀有なものであったかもしれない。FoZZtoneのこういうところがス・テ・キ!
「組曲 白鯨」を完奏後、メンバーはいったんステージを降りた。
アンコールで登場した5人。ワッチの口から今日初めて言葉が…「変わった趣向のライブだがFoZZtoneにしかできないと思う」と言い放ち(立派!)、「暴れたい人もいると思う」として、一転パワフルなパフォーマンスに切り替わった。
まず演奏されたのは新曲の『LOVE』。
そして「I play guitar」。
もう怒涛のごとく飛び出す音塊に会場の盛り上がりは止まるところを知らない。
汗だくで激演するJJ。この汗が後で大変なことに!
とても収まりのつかなくなった会場の雰囲気に三度登場!ダブル・アンコールだァ!
メンバーに完全に溶け込んでいる安高氏。
いかにも緊張から解き放たれたかのような奔放な演奏!
ダブル・アンコールは「BRUTUS(Et tu, Brute!)」から。「ブルータス」か…。高校の時世界史の授業で「『ブルータス、おまえもか』とシーザーが言った」と言う先生に「先生、それは違う。それを言ったのはウィリアム・シェイクスピアだ!」と指摘したら予想以上に怒られて、それ以来卒業するまで意地悪された。私はこんな人生を歩んできました。社会に出ても同じです。一生治りませんな…。
迷惑かもしれないが、FoZZtoneにはそういういい意味での変なこだわりを感じるんだよね。だから好きなのかも…。
そして「in the sky」。もう竹ちゃん大エキサイト!
菅ちゃんのベース・ソロもバッチリきまった!
2人のギター・バトルにも大きな歓声が!
いつにも増して演奏後の満足感が大きく見えるメンバーと聴衆。ライブのロケーションの魔力のようなものを感じたショウでもあった。
このJJの汗!まるで革のシャツみたいだ!風邪ひくぞ!ビチョビチョすぎて竹ちゃんも肩を組むことができない!
明と暗、緩と急、動と静…FoZZtoneのすべてが詰まった素晴らしいライブだった。ソールドアウトだったからしょうがないけど、行かれなかった人、残念!
FoZZtoneの詳しい情報はコチラ⇒FoZZtone Official Web Site
(一部敬称略 2011年11月5日東京キネマ倶楽部にて撮影)


































