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2011年7月 7日 (木)

ロンドン・ロック名所めぐり vol.18~カンタベリーへの道 

今日は前回のセブンオークスに引き続いて「ロンドン・ロック名所」の遠出です。

ロックも色々と細分化が進み全く聴いたことのないようなジャンルが存在することに驚いたりすることがあります。ま、こちらの勉強不足もあるんでしょうが、ヴァイキング・メタルとか、クリスチャン・メタルとか「ホントにこんなのあんのかよ?!」と人生まだまだ知らないことが多いようです。音楽をカテゴライズすることに特段の抵抗を感じない私なんぞはそれらを楽しんでおります。

それでは…今これを読んでいるみなさんは「カンタベリー・ミュージック」ってご存知ですか?

「カンタベリー」といえば多くの方々が14世紀のジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』を思い浮かべることでしょう。それともイギリス三大聖堂の内の一角、カンタベリー大聖堂?

今の若い人たちの間においては完全に未知のジャンルと化していることでしょう。チラッと説明しますと、カンタベリー・ミュージックはソフト・マシーンを中心に1960年代中~後半より発展したプログレッシヴ・ロックの一派として扱われているひとつのジャンル。

何年も前にマーシャルのやや年配の女性と話しをしていて、「カンタベリー・ミュージックが好きなのでいつかカンタベリーに行ってみたい」と告げたところ、大いに不思議がられたものでした。つまり、イギリス人でも一般の人々には何ら生活に関係することのない、いちブリティッシュ・ロックの泡沫セクトということになるのでしょう。

ソフト・マシーン、マッチング・モール、キャラヴァン、ケヴィン・エアーズ(というより、私にとってはオリー・ハルソール)、ロバート・ワイアット、ハットフィールド&ザ・ノース、ナショナル・ヘルス、ヘンリー・カウ、スラップ・ハッピー、デヴィッド・アレンとゴング、アイソトープ、ギルガメッシュ、クワイエット・サン等々…と、個人的にとにかく好きなグループやアーティストが目白押しのエリアなのです。そして、現在も多くのグループが活動を継続しています。

難しいことは抜きにして、私なりの言葉でこの音楽を表現させていただくとすれば、イギリス独特のジャズ・ロックっていうことになりましょうか。ブルースやロックン・ロールの要素は感じられず、ストレート・アヘッドなジャズだけでなく、フリージャズの影響も受けつつ、高い演奏技術でアドリブを中心に複雑な曲を演奏する音楽…かな。

この手の音楽は絶対にアメリカからは出ませんな。島国独特の孤立感というか、いかにも天気が悪いところの音楽っていう感じがします。だから日本人の嗜好にピッタリなのです。

アメリカ人はこういうことをしないですよね。アメリカ人がサッカーをあまり好まないのに似ているような気がします。1時間半ボールを追いかけた結果、「1点獲得」とか、「0対0」とかいうのはきっと性に合わない。カンタベリーはまさに「0対0」とか「1対0」の世界。ソフト・マシーンなんかそういう感じではないでしょうか?

ではアメリカのプログレの代表となると…例えばカンサス。全然違う。アメフトみたいに6点一辺に入っちゃう!そんなイメージ。新しめでいえばスポックス・ビアード?ニール・モースいいよね。でもイギリスのプログレとは似ても似つかないでしょう。やはりバスケット・ボール的展開。

アメリカ勢でこの手の音楽でせいぜい思いつくのはフランク・ザッパの「King Kong」ぐらい?アメリカではロックとジャズが混ざるといわゆる「フュージョン」になっちゃう。イギリスでは「プログレッシブ・ロック」になる。

と、ここまでカンタベリー・ミュージックの定義を反芻しつつ、期待に胸を膨らませてカンタベリーに向かったのであります。

出発はここロンドン・ヴィクトリア駅から。

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駅を出て2~3分で左手に見えてくるのはピンク・フロイドの『アニマルズ』でおなじみのバタシー発電所。『ロンドン・ロック名所めぐり』では紹介済みです。この電車に乗るときはゼッタイに左側の席に座りましょう!乗ったらすぐにカメラの準備。アッという間にバタシーが見えてきちゃうからね。

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1時間半程度でカンタベリー東駅に到着。ここはケント州。途中で前の方の車両と後ろの方の車両が切り離されてビックリしましたが無事に到着しました。よその国での電車の旅はいつも楽しい!

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駅を出るともういきなりこんな景色。古い城郭がお出迎えをしてくれます。

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カンタベリーに来たからといって、特にどこがロックの名所ということもありません。

やはり街のどこからでも見えるカンタベリー大聖堂に向かうのが人情でしょう。

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途中で出くわした不動産屋。たたずまいはどれも素敵だけど、ムムム、結構高いゾ。

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中心街に続く道。確かこの日は日曜日だったと記憶していますが、かなりヒッソリしていますな。

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街中にいきなりこんなに古い教会があったりします。

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この辺りは中心街。お昼はマックにしました。「何とかピタ」というやつ。ここでも大聖堂が見えています。

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それにしてもカンタベリー・ミュージックの痕跡は何もありませんな。せめて下宿屋をやっていたというロバート・ワイアットの家でもわかれば雰囲気出るんですけどね…。

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歴史を感じる美しい街並みはすこぶる美しいんだけど…。

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ちょっと失礼、これは公衆トイレの流し台。ナントお湯が出ます。イギリスの公衆トイレってお湯が出るところが割合多いようです。冬が激寒で大変だからかな?この湯沸し代もあの高い税金に含まれてるんだろうなぁ。

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街を歩くと歴史のありそうな建物にしょっちゅう出くわしてしまいます。

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これも…結構古い教会。

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ドドンとそびえ立つ門。ここがカンタベリー大聖堂の入り口なのだ。浅草寺でいえば雷門です。永平寺の山門並みに立派!

「家庭厳峻にして陸老の真門より入るを許さず」「鎖鑰放閑(さやくほうかん)さもあらばあれ善財の一歩を進め来るに」…なんてことは当然書いていない。

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この門をくぐると大聖堂にたどりつく。これが世界遺産のカンタベリー大聖堂。イギリス国教会の総本山。

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内部のようす。何しろ荘厳ですな。ここでガンガン賛美歌歌われた日にゃ誰でも入信しちゃうね。メッチャすごいリバーブのはず。当然モードは「Cathedral」で「Depth」はフルテンね。

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ロンドンのウエストミンスター寺院も見応えタップリだけどここもスゴイよ。

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ステンドグラスも素晴らしい!

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裏庭も美しい。

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長さ157m、塔の高さ72m。こんなんが11世紀に造られたなんて信じられん!日本では平安時代だもんね~。摂関政治の頃。

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何だかすっかり「カンタベリー大聖堂訪問記」みたいになっちゃったけどしょうがない。何しろカンタベリー・ミュージックの片鱗すら見い出せないんだから…。その中で!これこそドンズバ!そうCaravan(キャラヴァン)の『セントダンスタン通りの盲犬(Blind Dog at St. Dunstans)』のジャケットのイラストの場所なのだ!ココもんのスゴイ交通量なんですよ。ひっきりなしに車が通っています。

キャラバンも『ピンクとグレイの大地とか』、『夜ごとに太る女のために』、『カニング・スタンツ』、『ウォータールー・リリー』等、比較的駄作のない名バンドで私も好きなんですが、ま、バタシー発電所を初めて見た時の感動ほどじゃないな。

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着いた時に時刻表でチェックしておいた電車に間に合うように猛ダッシュで駅に向かいましたが、ゼンゼン時間通りに来ないんでやんの…。

イギリスはまだpunctualな方なんでしょうけど日本には到底かなわないな。海外に行くと日本という国の素晴らしさよがイヤってほど実感できます。

聖ダンスタン通りを除いてはカンタベリー・ミュージックっぽいものにまったく出っくわさなかったけど、「あのカンタベリーに行った!」ということだけでひとまず満足でありんす。

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つづく