美ぎ島 ミュージックコンベンション in 宮古島 2011 <前編>
Kagisuma Music Convention in Miyako-island 2011 <Part 1>
どちらかというと、イヤ、どちらかといわなくても、外で運動したりするより家でギターを弾いたり、本を読んだり、映画を観たりする方がはるかに好きなのね、子供の頃から…。
アウトドア苦手…。旅行は温泉。朝風呂につかって朝食でおビールいただいて、ゴロっと寝転んで本を読む…なんて天国じゃん?
だから南の島のエメラルド・グリーンの海なんて自分には一生縁がないと思っていた。
ところが行ってしまったのだ!どこへ?宮古島へ!
そこにはもうひとつの天国があったのだ~!
何でマーブロが宮古島と関係があるのかって?説明は後でね!
生まれて初めての沖縄県。宮古島への到着は5月の26日。空港の到着ゲートを抜けると「ムワッ!」…もう暑い。予想以上に湿度が高くて暑さにジトっと重みを感じる。
空港から市街地までは車で10分程度。建ち並ぶ家々はみんな同じデザインだ。鉄筋コンクリートの2階建てでデザインは真四角だ。
すぐにピンと来た。「台風対策」だろうって。地元の方に訊いたところ、木造の家では強風突風に耐え切れず、家ごと吹っ飛んでしまうのだそうだ。だからなるべく耐久性の高い意匠、つまり四角いデザインにして強度を稼ぐのだ。
実はこの時も台風2号が目前に迫っていて、まさに台風の前の静けさ…。この美しい青空が2日後には牙をむいて荒れ狂う自然の猛獣に豹変してしまうとは…。
それにしても人も車もほとんど見かけない!静かだ~!本当に時の流れが何かにせき止められているようだ。
ここも中心街からチョイと入った裏通り。でもヒッソリとしてる。実はここに音楽スタジオがあるのだ。
このスタジオでリハーサルをしているのは田川ヒロアキとドラマーの高仁範(コウインボム)。
そう、明日から始まる『美ぎ島ミュージックコンベンション宮古島2011』のためのリハーサルをしているのだ。ヒロアキくんは今年で3回目の出演となる。
そして、私はカメラマンとしてこのイベントに参加させていただいたというワケ。そして宮古島にいる。
でも、何だかいつもと違うゾ…って2人しかいない!ギターとドラムだけ…そうなの、ベーシストが急遽参加できなくなってしまったのだ!もうちょっと早くわかっていれば私が弾いたんだけど…ウッソ~、写真撮る人いなくなっちゃうじゃん?
逆境には滅法強いヒロアキくん。30分のステージを2人で乗り切っちゃおうとスペシャルプログラムを編成。
高くんも実力が存分に発揮できるというものだ!
リハーサルを終えて宿へ向かうバンドメンバー…といってもふたり。さて、本番はどうなりますことやら…。
前日の夜にはコンベンションの関係者が集い「前打ち上げ」がセットされた。
冒頭、ご挨拶をされる主催のゲンタさん。
宮古に来ればもうみんな友達!知らない同士でも音楽好きが寄り集まればすぐ友達になっちゃう!楽しいことこの上なし!
オルケスタ・デ・ラ・ルスのボイス・パフォーマンス・チーム!これが素晴らしい演奏(?)で場を猛烈に盛り上げる。
こうして楽しい宴は夜遅くまで続いたのであった。
心配なのは明日からの天気…。台風よ、頼む…どこかへ消え去ってくれ!
さて、「美ぎ島」は「かぎすま」と読む。
今年7回目の開催となる『美ぎ島 ミュージックコンベンション in 宮古島 2011 』は3日間にわたりコンサートが開催され、出演は山崎まさよし、EGO-WRAPPIN'、大橋卓弥、Orquesta De La Luz、秦基博、キマグレン、GONTITIなどなど超豪華ラインナップ。
人口5万人強の南の島に大勢の音楽ファンが押しかけ3日間ドップリと音楽に浸かってしまうのだ。
「訪れた時より帰る時のほうが綺麗な宮古島にしよう!」をテーマに島外からの参加者にも美ぎ島の精神を抱いての参加を呼びかけ、より美しい宮古島を守るための想いを強くアピールしていくイベントです…というのが主催者の呼びかけだ。
結論から言えば、まさにこの精神が生かされた素晴らしいイベントだった!
コンサートは2日間を野外のグランドで、最終日をビーチで開催するのが通常なのだが、我々の願いも虚しく、無情にも台風2号は宮古島へ接近を続けるのであった。
宮古島へ来る飛行機の便も欠航が目立ち始めたためプラグラムにも大幅な変更が加えられ、安全を見て初日は市の公民館で開催することになった。
曇天、そして南国ムードの公民館。この中に大きなホールがあるのだ。これまで7回のコンベンションの歴史のうち、屋内で開催するのはナント今回が初めてだという。
実際、地元の方々も口々に「こんな時期に台風なんか来たことない!」と漏らしていた。しかも、10年に1回あるかないかという大型サイズ!まさか、本場の台風を体験しようなどとは夢にも思わなかった!
この初日、宮古島出身のHARVESTAでステージは幕を開け、10組のアーティストが登場し素晴らしいライブが繰り広げられた。
出番前に楽屋で談笑する西慎嗣さんとヒロアキくん。
ヒロアキくんの出番が近づく!準備万端!今日も指がよく動くゾ…っと。
美しい『ミュージックコンベンション』のバックドロップ。会場も満員だ!
乾坤一擲、いよいよショウがスタートした!
もちろん愛用のギターとJMD501を携えての登場だ。これってサ、もしかしたら「JMD宮古島初上陸」じゃない?エンゲレスの秘宝をペルリ・ヒロアキが伝来させたことになる。
ちなみに、「生麦事件」ってあるでしょ。文久2年、つまり1862年、マーシャルの第1号機が産声を上げるちょうど100年前の出来事。薩摩藩主の父、島津久光の行列に乱入してしまったイギリス人を供回りの藩士が斬り付けて殺害してしまったというのが事件のあらまし。イギリスから膨大な賠償金を請求されたが薩摩藩はガンとしてシカト。幕府が泣く泣くその賠償金を支払ってチャラにしたというアレね。イギリス怒らせちゃうとかなりヤバイから。ヘタすると日本を滅亡させられちゃうかもしれないくらいの大事だからね。歴史の授業で習いましたね。
でもこれは習わないでしょう…この時のイギリス人のグループのリーダーはマーシャルさんという人だったそうな。
ソロはいつも通りクリーン+空間系エフェクターのサウンドで美しく、おしとやかにスタートする。得意のスラッピングが痛快だ!そして、野太いクランチ・サウンドに乗り換えて徐々にエキサイトし始めていく。
最後はギンギンのディストーション・サウンド。フィンガーボードの端から端までを縦横無尽に走り回る左手、完璧なコントロールでスウィープ・フレーズを紡ぎだす右手、このコンビネーションが一大ギター・スペクタキュラーを演出した。
それにしても度胸のいい人だ。そして堂々たるステージ・マナー。バンドのメンバーが揃わないというのにまったく臆することなく自分の仕事を完璧にこなしていく。観客の目と耳は100%ヒロアキくんのプレイに釘付けとなっていた。ま、スパイス・ファイブで鍛えられてるのか?!
このイベントの素晴らしいことのひとつは音楽のジャンルをまったく問わないということ。次にその多岐にわたるジャンルの音楽をみんなで楽しもうとしているところ。「アラ~、あたしヘビメタだめなのよ~」とか「やっぱアンプラグドじゃものたんねーゼ!」みたいなことがない。これもここ宮古島の空気がそうさせるのか、みんなで盛り上げて楽しんじゃおう!というようすがハッキリ見て取れるのだ。
正直言って、ヒロアキくんの音楽は他の出演者の方々のテイストとは完全に一線を画していたと思う。よく言えばOne of a kind。悪くいえばKY。もっと正直言っちゃえば、ア・カペラのギター・ソロなんていったらお客さん全員から「?」マークが出ちゃうんじゃないかってチト心配してた。
ところが…だ、見よ!このヒロアキくんのドヤ顔!拍手大喝采なのだ。会場を震わさんばかりの大拍手&大歓声なのだ。思わずこっちも「ヤッタ!」と心の中で快哉の声を上げた。
理屈は簡単、いい音楽やいい演奏があって、それを心から楽しもうとする人たちがいればジャンルなど関係ないということだ。
またデューク・エリントンの言葉を引いてしまおう。
「音楽は2種類しかない。いい音楽とそうでない音楽だ」
ドラムの高仁範が登場。
さて、問題はここからだ!ドラムの高くんと2人でこの先舞台を切り回さなくてならないゾ!
「今回はベーシストがどうしても参加することができず、高くんとふたりで演奏せざるを得なくなってしまった…」というコメントがヒロアキくんから発せられる。
続けて「でも、お願いして強力な助っ人を得ることができた」と付け加えた。
そして登場したのがベース界の大御所、中村キタローさん。今回も山崎まさよしさんのバンド他で参加。登場した瞬間大きな拍手が沸き起こる!
もうノッケから超ノリノリ・モードだ!恒例の「ヒ~ロアキ」コール。
「図々しくもキーボードも助っ人をお願いしまして…」と登場したのはこの直前に出番を終えた椎名純平率いるDezille BrothersからキーボードのSWING-Oさん!
一気ににぎやかムードに!そして「ヒ~ロアキ」コール!
何しろブッツケ本番。曲は超高速のブギ。でも、どう見てもこれがはじめて演奏しているとは思えない完璧なアンサンブル、そしてノリ!
クールにソロをキメるSWING-Oさん!
何とスリリングな演奏だろう!まったく場違い!でもまったく問題なし!やっぱり派手な演奏はフェスティバルにマッチするね。エンディングの後の歓声をお聞かせできないのが残念無念!
チョット~、まだこれでは治まらない!今度は西さんの登場だ!そっか~、だから楽屋で2人で閉じこもっていたのね?
西さんからもヒトコト!そして「ヒ~ロアキ」コール!もう今日だけで一生分名前を呼ばれたのでは?!
こりゃますます演奏が楽しみだぞ!
貫禄の西さん。あの素晴らしい音色とプレイが聴けるのかと思うとうれしい!
曲は循環コードに乗せてたおやかに進む。そこにヒロアキくんの即興の歌がかぶさる。テーマは「ありがとう美ぎ島」だ。
途中は西さんとのブルース・ギター・バトル!これは聴き応え満点でしたゾ!ギターっていいナァ~。
キタローさんのバックアップも完璧!名手が低音を受け持つとサウンドが一辺に分厚くなるのだ!
高くんもソツのないドラミングでフロント陣をインスパイアしていた。
さて、波乱万丈のステージもアッという間に最後の曲となってしまう。
ここに来てもうひとり助っ人が登場!
椎名純平さんだ!
ここでまた雰囲気が一気に変わる!純平さん、もう台風が上陸したのかと思うほどのパワーなのだ!飛びっきり明るく楽しい台風だ!
曲はヒロアキくんのオリジナルで「The Beat to Hit」。スパイス・ファイブでもおなじみのレパートリーだが、毎回名前が変わる。でも本当の曲名は「The Beat to Hit」。
で、この2コードのイキのいいドライビング・チューンに純平さんが即興で言葉を乗せていく。テーマは「台風」。「台風来るな!」で絶唱!
そしてリード・ボーカルにピタリと合わせるコーラス隊。オイオイ、これ本当に即興なの?
純平さんの歌を聴いていたら映画『ウッドストック』を思い出してしまった。降り出しそうになった雨を止めようと40万の若者達が「No rain, no rain!」と叫ぶところだ。感動!
ヒロアキ+高のふたりデュオもさぞかしスリリングだったろうが、キタローさんをはじめ超強力な助っ人陣のおかげで思いがけず滅多に観ることのできない豪華一大ロックショウとなったのであった!
高くんも実に楽しそうだった!
「災い転じて福となす」の典型ともいえる今回のハッピー・ハプニング。得てして危機的状況からはいい音楽が生まれるものだ…なんて人ごとみたいに言っちゃいけないか…。
ピックを投げてキメのポーズ。ああこの割れんばかりの拍手をみなさんにもお届けしたい!写真を撮っていて思わずドヤ顔になった私なのでした。
美ぎ島ミュージックコンベンションin宮古島2011の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト
レポートは<後編>につづく
さて、さてさてさて!昨日出たんですよ、アレが!『手数セッション』!!
内容はライブ・レポートで紹介しているので今回は割愛させていただくが、今どきこんなCDないよ!こんなに弾き倒しちゃうヤツ。
CDだけでなく付属のDVD-ROMもお楽しみに!写真がいいゼ~!
是非!聴いてみてくださいね!
そして、最後に「手数セッション」のツアー情報。ゴチャゴチャ言いません。ヒロアキくん自作のこの動画で日程をばチェックされたし!ああ東京公演が待ち遠しいゼ!
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano
(一部敬称略 2011年5月26~29日 沖縄県宮古島市にて撮影)





















































