【HIGH VOLTAGE FESTIVAL vol.5】その2日間、私は世界でもっとも幸せな日本人のひとりだった!~最終回
【HIGH VOLTAGE FESTIVAL】 I was one of the happiest Japanese in the world for the 2 days!! vol.5
さて、最終回の今回はバックステージ・レポートからスタート!

MAIN STAGEを後ろから見たところ。
マーシャルのブース。彼らは「キャビン」と呼んでいる。ミュージシャン相手の展示ブースだ。
小ぢんまりとはしているが、JVM、JMD:1、1959SLP、Handwired、MGなど代表的な機種を網羅している。
キャビンの中には冷蔵庫も装備されていて冷たい飲み物も頂けるのだが、栓抜きを忘れて大騒ぎ!2日目も誰も持って来やしない!男所帯はこれだからイヤですね。
キャビンの告知チラシ。もちろんアーティスト向け。
MarshallのMarkとDanny。Dannyは1959RRの開発者として日本語版ウェブサイトにも登場している。
ひっきりなしにアーティストやプレス、マネージメントのスタッフが訪れてくる。
これは楽屋村。手前は子供を遊ばせるための砂場。
これは楽屋村内にある楽器屋(左)と美容室!
ちょっと美容室にお邪魔すると…かなりの本格派!
ここでもマーシャルが大活躍!
こちらは楽器屋さん。さすがに竿ものやドラムセット等の本体ものは置いていないが、消耗品やエフェクター、アクセサリー類はかなり充実している。実際にアーティストが入って行って買い物をしていた。
さて、大トリひとつ前のMAIN STAGEにはDEF LEPPARDのボーカルJoe ElliottがMOTT THE HOOPLEのカバーを演奏するバンド、JOE ELLIOTT'S DOWN 'N' OUTZが本家のIan Hunterとともに登板を務め大騒ぎになっている。MOTTって本当に人気があったんだネ。
そして、いよいよヘッド・ライナーの登場!EMERSON LAKE & PALMERだ。もう9時だ。さすがにクタクタだ~!
アレ何て言うのかな、「パッチボードの壁」とでもいうのかな?Keith Emersonのシンボルも健在だ。これって、キーボード・プレイヤーにとっての「マーシャルの壁」だね。やっぱりこれがないとね!写真の通り実際にマーシャルも多数使われていたけど。
彼らは楽屋からひとりずつCarl Palmer、Keith Emerson、Greg Lakeの順にカートでステージへ移動。カッコいいナァ~。大物っていいナァ~。貫禄が違う!特にGreg。
結成40周年を記念しての一度だけの再結成だそうです。
1970年より活動を開始したスーパーグループ。この頃のロックは本当にクリエイティブだった。今のロックは何でこうも退化しちゃったんだろうナァ?答えはきっとこうでしょう。70年代のロックの流れがしまいにゃ進化しすぎちゃったんだろうね。
70年代は洋楽の情報といえばシンコーミュージックさんのMUSIC LIFEが絶対に欠かせなかった。同誌ではリーダーズ・ポール、つまり読者人気投票を毎年やっていて、私がロックを聴き出したころはQUEENがいつも1位だったかな。この後、BAY CITY ROLLERSがその座を奪った。間にいくつかのバンドがあったかもしれないが、一時期はこのEMERSON LAKE & PALMERが1位だった時代があったんだゼ。プログレのバンドが当時最も権威のある洋楽専門誌の人気投票で1等賞だったのよ。いい時代だよ。もっともその時代はJETHRO TULLやFOCUSだとかPFMあたりもベスト10に入っていたように思うな。スゴイ時代だ。
1曲目は「Karn Evil 9 First Impression Part2」。もうあのシーケンサーの音が出た途端に会場は大興奮ね。始めは何となく演奏がぎこちない感じもしたが、滑り出すと何ら問題もなく、Greg Lakeも『Then & Now(Disc 2)』の頃より声も全然出ていて見応え充分!
2曲目はファースト・アルバムから「The Barbarian」。ドワ~、こんなのやるんだ。「Bitches Crystal」、「Touch And Go」と続いて、同じくファーストから「Knife Edge」。もうタマラン!ヤナーチェクの「Synfonietta」がこんなソリッドなロックになるなんて誰が想像しただろうか?物凄いアイデアだとう思う。「ああTarkusやらないかな~」って思っていると、「Take A Pebble」からピアノ・ソロで「Eruption」へ!カッチョいい~! 後半リズム隊が加わってドバーっと盛り上がった。

観客は圧倒的に白人が多く、98%位?イヤ、もっとかも知れない。時折見かける東洋人は間違いなくほとんどが日本人であろう。私の他にも幸せな日本人がいたというワケだ。でも、後日驚いたのは、仲良しの仕事仲間がその中にいたというのだ!彼女はELPの大ファンではるばる来ちゃったというのだ。ビックリしたナァもう。
私は帰りの電車が恐ろしいので涙を飲んで「Lucky Man」を背に会場を離れたが、最後まで観た彼女の話しによれば、このあと『展覧会の絵』を全曲演ったとのこと。観たかったナァ~。でもこの日は地下鉄Central線かなんかがメンテのために運休となっていて(ロンドンの地下鉄って平気で路線1本丸々休んじゃったりするんだよね。コレ東京でやったら大変だよ。「ハイ、今日は銀座線動かしませ~ん」みたいな…)、マゴマゴしていたら電車に乗れなくなっちゃいそうだったから安全をみたのですよ。
その分はこっちで補ったという次第。
ただでさえ時差ボケなのに、これだけ長時間にわたって観たいものを集中してズッとみていると完全に時間の感覚がおかしくなっちゃって、WISHBONE ASHを観たのが当日の朝のことだとはにわかには信じられなくなってくる。
こうして見るとやっぱりロックはイギリスの宝だ。とりわけプログレッシブ・ロックはイギリスならではの国宝だ。
正直言ってお客さんの年齢層は高い。かなり高いが若い人も結構来ていてちゃんとフェスティバルを楽しんでいる。こういう機会でロック文化の橋渡しをしているんだろうな…と感じた。若い人達はクラシックなロックを嫌っているわけではなくて、ただ知らないだけ。これはマーシャルの連中も言っていた。若い人たちにはそういうロックに接するチャンスがなかっただけで教えてあげればきっと夢中になるはず。だって、今のロックより断然面白いはずなんだから。今、イギリスにはギターヒーローが見事にいなくなってしまったが、彼らにはこのように文化が継承されるチャンスがある以上、また70年代のような「British Rock」の隆盛が望めるのではないだろうか。
日本でもいよいよ「最近の音楽はみんな同じ」とか「ロックは継承されていない」と評論家の先生方も言い始めているようだ。最近やたらとカバー作品を見かけると思いませんか?ヘタなカバーを聴くならオリジナルを聴いた方が何万倍もいい。その時代の空気感も含めて聴くことができるしね。
もし温故知新を狙いたいのであれば、戻す時計の針の幅は10年や20年じゃ全くダメだ。40~45年はさかのぼるべきだと思う。きっと今の状況を打開する答えがたくさん見つかると思う。マーシャルの友達が言っていた。「Music is a pendulum」って。
いいよナァ~、今の若い人たちは…これからELPやらUFOやらZAPPAやらFOCUSやらを楽しめるんだもんナァ!(皮肉ではありませんから)
最後に…帰りがけに通りかかったすべてのプログラムを先に終了したMETAL HAMMER STAGE。これはイケませんナァ~。ゴミ。何だか映画『ウッドストック』のエンドロールを思い出してしまった。
いつも思っていたんだけど、外国の人って出かけるときにほとんど手ブラだと思わない?外国だけの話しじゃなくて、日本に来ている人も。
私の場合、本2冊持って、iPod入れて、カメラ2台用意して、眼鏡持って、手帳持って、誰かに会うといけないから名刺持って、タオル持って、夏なら着替えも入れたりして、これで200mmの望遠レンズいれたらもうデイバッグは限りなくパンパンよ。ガラガラも出動しなきゃならない。
でもこのフェスティバルに来ている人達を見ていると女性こそポシェットぐらいは身につけているものの男性はみんな手ブラなんだよね~。空き時間にやることがなくて不安にならないのかな?時間の使い方がきっと違うんでしょうね~。
ああ、実に幸福な2日間だった。Long live British Rock!!
以上、5回にわたってお送りしましたHIGH VOLTAGE FESTIVALレポートを最後までご覧いただきまして誠にありがとうございます。
P.S. しつこいようですが、イギリスで「イギリス・パン」を見かけたことは一度もありません。
(2010年7月25日 LONDON VICTORIA PARKにて撮影 ※ELPのステージ写真提供:Marshall Amplification plc)
