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2010年8月11日 (水)

嗚呼、素晴らしき哉BIGELF…

Wonderful BIGELF!!

んん~、何回聴いても素晴らしい。2008年発表、BIGELFの『CHEAT THE GALLOWS』。このバンドのギタリストはマーシャルをステージで使用していない。それでも、あまりにもこのバンドのクリエイトする音楽が素晴らしいのでマーブロ<番街編>として紹介させていただく。

というのも同アルバム『鍵盤狂想曲 第1幕』や過去の作品がHydrant Musicから国内盤として発売されて入手しやすくなったからなのだ。

今回はマーシャルに関する情報はないけれど、マーシャル・ブログはこうした「ロック然」とした素晴らしい音楽を紹介することに喜びを感じている。ひとりでも多くの人、特に若いロック・ファンに筋金入りのロックを体験してもらいたいと願って止まない。

Cheat_the_gallows_3 『鍵盤狂想曲 第1幕:ビッグエルフ(CHEAT THE GALLOW)』

実はこのアルバム、国内盤が出てすぐ入手していたのだが、時間に恵まれず聴かずじまいでいた。ところがしばらくたったある日、マーシャルのスティーブ・ドーソン(元アニマルズのギタリストでVintageModern、JMD:1の設計者)から「オイ!BIGELFって知ってるか?!」と突然連絡が入り、「知ってるし、CDも持ってる…でもまだ聴いてないんだ」と答えると「バカ!早く聴いた方がいいぞ!モロに70'sだぞ!」とすごい勢い。ってんでさっそくiPodにインポートして聴いてみた。

「ナンじゃ、コリャ~?!」

あれは確か上野へ歩いて向かう途中だった。足を何度も止めてしまった。BIGELFのあまりのカッコよさに脳ミソが足を動かす指令を出し損じてしまうのだった。

とにかく、素晴らしい!暗くて重くて鋭くて冷たくて…。BIGELFの音楽を評すにあたって世間ではサバスやらフロイドやらの名前が挙げているが、何とこのバンドを率いるデーモン・フォックス(また名前がベタでいいわ~)はあの陽光輝くLAの出身!この音楽がLAから出てくるとは頼もしい!まだ米ロック界も捨てたもんじゃない。反面、個人的には「何故イギリスから出てこなかった!」という情けない気持ちも正直なところか…。

BIGELFは1991年結成。ボーカル&キーボードのデーモン・フォックス(Damon Fox)を中心にギター、ベース、ドラムのカルテット編成で活動を開始し、1996年に6曲入りEP『Close To Doom』を発表。(国内盤は8曲が追加され14曲入り) キーボード(オルガン&メロトロン:「ストロベリー・フィールズ」のイントロのアレね)をフィーチュアしたBIGELFサウンドはもうこの時点で形成されている。しっかし、このメロトロンの音ってのはどうしてこうもいいかね~?

Closer_to_doom 『クローサー・トゥ・ドーム~生誕序曲(Closer To Doom)』

その後、ベースが脱退しトリオで活動を継続。1997年夏に『Money Machine』を発表。Thin Lizzyの「Bad Reputation」が飛び出して来てビックリしたが、トリオになってもBIGELF節は何ら変わらず重く暗く厚くカッコいい。このアルバムがスウェーデンのプログレ&メタル・レーベルを通じ2000年に北欧でリリースされ、スカンジナビア・ツアーを決行。

Money_machine 『マネー・マシーン(Money Machine)』

その際に、バンドに加入したのがフィンランド人の現在のベーシスト、ダスティ・スノウヒル(Dusty Snowhill)。そして、2001年にはギタリストが、同じくフィンランド人のエース・マークに交代。そして2003年に発表されたアルバムが『HEX』。「Disappear」いいな~。クロマチックを多用した不吉なリフやm⇒mM7⇒m7とマイナーのクリシェの多用がBIGELFらしさをいいように醸し出している。名曲満載!

Hex 『HEX~呪縛か「」らの解放(HEX)』

これまでもキーボードを主体にしたバンドというのはたくさんいた。EL&P、ユーライア・ヒープ、グリーンスレイド、クレシダ、トレース、フォーカス、クォーターマス、アージェント、エニド、ある意味イエスもそうか、ディープ・パープルだってジョン・ロードのオルガン抜きには考えられない(マーシャルで鳴らしていました)。ピンク・フロイドも同様だ。名バンドが目白押しだ。

ところが、70年代に入ってギターのテクニックが進歩するにつれてアレヨアレヨという間にキーボードがすっかり脇役になってしまい、ヴァン・ヘイレン以降はテクノ系を除いてバンドの中でキーボードが活躍する場面がすっかり珍しくなってしまった。(これは世界標準の話しですよ)

BIGELFを機にキーボード入りロックの復権となればいいですな。やっぱりキーボード入りのバンドは音が厚くていい。

ま、ハッキリ言ってとにかくどこを切っても70年代サウンドなワケですよ、BIGELFは。それは曲調はもちろん、ハモンドやメロトロンの多用ということもある。でも、ひとつ忘れてはならないのは録音方法ではないだろうか?今のドンシャリ一辺倒のレコーディング手法とは明らかに違う音像で、それぞれの楽器がひとつひとつ何をやっているかが聴いて取れる。素材と演奏がよくなければできない芸当だろう。ずっと聴いていても疲れない。

BIGELFの音楽を形容するに文中何回も「重い」だの「暗い」だのという言葉を使ったが、その通り。もちろん明るく能天気なロックもあるだろうが、1960年代後半からイギリスが輩出した世界的人気バンドはみんな暗い部分があったように思う。でも世界中の人々が夢中になった。「暗さ」は「毒気」という言葉に置き換えても差し支えないと思うのだが、明らかにロックには「毒気」が必要だという立場をマーシャルブログは取っている。「ありがとう」、「がんばろう」だけがロックじゃないのですよ。

冒頭に戻って…アメリカからこのようなバンドが出て来て、かつ世界でその音楽が支持される傾向にあるのはうれしい限りだ。イギリスだってその気になればいくらでもいいのがいるはず。問題は発掘するサイドにあるに違いない。そのイギリスのパワーを見せつけられる出来事が先日あった。後日マーブロで詳細レポートを掲載するのでお楽しみに!

Cheat_the_gallows_3

実は最近BIGELFを見る機会が立て続けに2回あり急接近してしまった。その辺りのレポートも追ってお届けします!

BIGELFの詳しい情報はコチラ⇒Hydrant Music公式ウェブサイト

※<番外編>はマーシャル・プレイヤーこそ登場しませんが、どうしても皆さんに伝えたい音楽の話題を掲載するカテゴリーです。