マーシャル・カタログ物語~梅村昇史の世界 <後編>
新しいマーシャル・カタログ…表紙制作にあたって作者の梅村さんに少しお話をうかがいました。まずはデザインのコンセプトから。
基本的なコンセプトは「曼荼羅」なんです。ZPZのフライヤーもそうだったのですが、コラージュという手法を取ってはいますものの、マーシャルという素材を集めて作った「曼荼羅」なんですね。もちろんマーシャルといえば猛烈に「ロック」というイメージがついてまわりますが、あまりロック然としたイメージにはしたくなかったんです。それとユニオン・ジャックべったりというのもどうかと思って…。でも少しイギリスのイメージも足さなくてはと思い兵隊さんの図柄を足しました。
コラージュという手法を使うとどこかカル・シェンケル(ザッパ作品のスリーブを多く手掛けたデザイナー)っぽい仕上がりになってしまいます。もちろんカル・シェンケルは好きですが、特段意識したということはありませんね。
「Does humor belong to his works?」と訊かれたら答えは迷わず「Yes, it does!」となるわけです。
最初はジム・マーシャル氏がギターを下げている図案というアイデアもあったんです。僕は作品の中にコミカルな要素を入れるのが好きなんです。でもそれもどうかと思いポートレイトのシルエットだけにしました。それから、「ロック」ということではなしに「音楽」が香るデザインを目指したつもりなんです。
実は最終版に至るまでに大幅なデザインというか雰囲気を変える工程があったのです。下の図案は最初の作品。いわゆる習作というヤツ。まだ左下の年号が「2009」になってるでしょ?これをマーシャル社のデザイナーに見せたところ「マーシャルのイメージ・カラーである黒とシルバーを入れたらどうか」とアドバイスがありバックにグラデーションを入れることになった。
そうしている間にも矢継ぎ早に新商品が投入されるのでClass5やMAなど極力最新の商品写真に差し替えられたのです。
フランク・ザッパ、ニール・ヤング、そしてトッド・ラングレンが梅村氏の3大フェバリット。ニール・ヤングを除いては筆者と好みがピタリと合うのでお会いする度に音楽の話で盛り上がり時間の経つのを忘れてしまうのですが、氏の音楽への造詣と愛情は限りなく深く、イタリアン・プログレの泡沫バンドから辺境ロック、ジャズ、さらに現代音楽にまで及ぶその事典的知識には舌を巻かざるを得ません。正式な教育を受けたデザインのノウハウにそのようなバラエティに富んだ音楽的要素が加わることによってユニークな作品が生まれるのでしょう。
最後に…新しくなったのは表紙だけではありません。内容もキャビネットのページを刷新したり、ウェブサイトとの連動を図る等今までにないページ作りを目指しました。
新しいカタログは2月17日ごろよりマーシャル取り扱いの楽器店に並ぶ予定です。これからもマーシャル・カタログ、ウェブサイト、マーシャル・ブログの3点セットをご愛顧賜りますようよろしくお願い申しあげます。
作成にあたり絶大なご協力を頂戴しました関係スタッフの方々にこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます。そして何よりも長い間出来をお待ちいただいたマーシャル・ファンの皆様に心より感謝申し上げます。






