ルーク篁、マーシャルを語る <前編>
今回のルーク篁さんの『マーシャル・トーク』は去る2009年12月13日に開催されたマーシャル・ロードショウの模様を収録したものです。ルークさん、お話が滅法お上手で聴いているこちらも最高に楽しくて、何度もマーシャルとは関係ない話題に突入しました。その辺りも少々文字にしておきました。お待たせしました!前後編の2回にわたってお送りします。お楽しみください!
ニュー・アルバムについて
マーシャル(以下M):ニューアルバム『Green Horn』を発表されて、レコ発ツアーも完了。お疲
れさまでした。いかがでしたか、ニューアルバムの反応は?
ルーク篁(以下L):去年は(2008年)ベスト・アルバムしか出せなかったので、昔から聴いてくださっていらっしゃるファンの方々には1、2曲しかお聴かせできなかったんです。だから今度のアルバムは2年半ぐらいぶりらしいんです。
M:らしい?
L:あんまり自覚がないんですよね。だから待望のアルバムになったようです。そして、聴いてみると元気がよくていい感じだし、みんな「いいんじゃないですか」って。
M:おいしいエキス満載で…聴かせどころを無理やり詰め込んだとはいいませんが…。
L:アハハハハハ!(大爆笑)
M:失礼。ギターソロもバッチリ決まっていて素晴らしい。それでこのアルバムで使われたアンプがJVM410 H。これで全部録られたんですか?
L:そうですね。全部JVMだと思う。
M:思う?
L:(爆笑)イヤイヤ全部コレ。コレです。
M:よくミュージシャンってレコーディングの状況を覚えていらっしゃいますよね。「あの曲のあそこは何を使ってどのエフェクターをかけて…」とか。それなのに…。
L:ウッソ~!そうかな~?皆さん、そう?
M:たいていは…。
L:シャラさんも?
M:シャラさんは完璧に覚えていらっしゃいます。マイクの角度まで。それで、シャラさんもアースシェイカーのニュー・アルバムは全部JVMで録られました。
L:知ってる知ってる!シャラさん、最初JVM苦手だったんだよね!
M:アレ?人のことは覚えていらっしゃるんですね~?:(会場大爆笑)
L:将棋指しの方々なんかもモノスゴイ記憶力ですもんね。指した手を全部覚えちゃう。
M:それで千手先まで読んじゃう。でもミュージシャンも記憶力のよい人が多いですね。ルークさんも先日のポール・ディアノとか高見沢さんとかサポートされるときは暗譜されるわけでしょ?大変ですよね2週間で30曲覚えてこいなんてことも…?。
L:そう。でも覚えておかないとステージで格好つけられないじゃないですか。僕はね、うまいギタリストとは思っていませんが、そこそこ格好のついてるギタリストだと思ってるんですよ!(会場大爆笑&拍手)
M:マーシャル・ブログで色々な方に写真を撮らせていただいているでしょ。一発で気に入った写真が撮れる方と何枚撮ってもうまくいかない方もいらっしゃる。そこへいくとルークさんは撮った写真がみんなキマってる。一発で決まる。いつもカッコつけてるってことかもしれないけど…。(会場爆笑)
L:そうですか。でも僕はたくさんある写真の中でいいのが少ない方だと思うんですよ。
M:レベルが高いんじゃないんですか?
L:イヤイヤ、聖飢魔IIの頃から…エース清水なんかカッコいいわけですよ!でも僕は「コレじゃダメだネェ」みたいな。
M:このお写真は?手裏剣?(爆笑)
L:きっと指輪を見せたいんですよ。
M:お、なるほど!
L:写真ってスタジオとかで撮られるの難しいですよ!すごい明るい所で、いいおべべ(ママ)着せてもらって、もちろんそれなりの顔をするんだけど…。突っ立てるだけじゃダメじゃない?それ考えると海老ちゃんなんかスゴイよね!(爆笑)モデルってスゴイよ。何もないところで、シャッターの音しかしないところでスゴイ笑顔でさ!普通できないっすよ!
M:だからといって海老ちゃんはこのポーズしないんじゃない?(大爆笑)
L:今日はこの調子いくよ~、3時間ぐらい!
M:大丈夫、大丈夫、このロードショウ、最長3時間半までやったことあるから!
L:エ~!(会場大拍手)
と、こんな調子でマーシャルとはまったく関係ない話でスタートしたルーク篁のロードショウ。新商品の紹介を交えルークさんにマーシャルについてたっぷり語っていただきました。
JVMについて
M:さて、1曲目をJVM410Hで弾いていただきました。JVMは現在のマーシャルのフラッグシップ・ライン。一番の高級機ですね。JCM2000の歴史を塗り替えるべく、最も歪んで、ギタリストが望む必要な機能をすべて搭載して、かといって無駄な機能はすべて排し、それでいてプレイヤーが使いやすい…という条件をすべて満たしたモデルなんです。
これ、フロントパネルにはツマミが28個、スイッチが8個付いているんですが、ゼンゼンややこしくないですよね?
L:ウン、ゼンゼン簡単で使いやすい。アンプの基本の機能だけでできているからね。
M:それで、さきほどの演奏を拝見しますと、ルークさん、チャンネルひとつしか使わない。OD2のREDモード。クリーン・トーンを出す時もギターのボリュームを下げるだけでチャンネルは変えませんでしたよね?他にもチャンネルがあるんだから使えばいいのに!
L:イヤ、これがいいアンプの証拠なんですよ!ギターのボリュームをフルアップした時にしっかり歪みきるアンプっていうのは世の中にいっくらでもありますよね。でも、ボリュームを絞っていった時に歪みがドンドンなくなってくるというアンプというのは実はそんなにない。それで歪みがなくなっていった時に音が細くなっちゃうアンプっていうのは山ほどある。マーシャルは歪みがなくなっていった時に音が太いまんまクリーンの音が残っててくれる。(なぜか大拍手!)
M:その通り!全く同じことをして音を作っている人がいます。
L:ホウ?
M:石原慎一郎さんです。SHARAさんもOD1のORANGEしか使わない。それでギターのボリュームを絞ってクリーンを作っていますね。
L:ウン、その方がストレートなんですよ。昔のギタリストってそうだったんですよねってあんまり言いたかないんですけど、表現の方法のひとつとしてボリュームの調節っていうのがあるワケなんだよね。1曲の中で静かでクリーンなアルペジオから盛り上がってウワーッと歪みのパートになる時、スイッチひとつでポンと音が変わるんじゃなくてボリュームを上げて歪ませていく…これって「抑揚」なわけじゃないですか。クレッシェンドっていうか。これはひとつの表現ですからね!これができないアンプはスイッチで音を切り替える。スイッチではクレッシェンドはできないんだよね。ポーンといっちゃうから。そこが、つまりボリュームの操作ってのがエレクトリック・ギターのひとつの醍醐味なんですよ。
M:要するにジミヘンですな。
L:そうね。あといつもは歪みきった音で弾いているんだけど、「このパートは少しだけ抑えたい」とかいう時がありますよね。それをスイッチでやろうとすると難しい。アンプが歪んでいないのと、アンプは歪ませておいてギターのボリュームを下げて歪ませないというのは全然違うからね。
M:レコーディングの時もそうされているんですか?
L:そうです。クリーンはクリーンで録ることもありますが、大体そうやって音を作っています。そうだな…『Green Horn』の中の「Go Faster! (×4)」の静かなパートはグッとギターのボリュームを下げてるんですよ。その後のワーって戻ってくるところはボリュームを上げてる。ちゃんとそういう音になっていますよ。
M:ああ~、今日はもうこれで終わりでもいいや。言いたいことルークさんが言ってくれるから…。でもね、いくらギターのボリュームをいくら操作しても音が反応してくれないアンプってもの世の中にはあるんじゃないですか?
L:あるある、たくさんありますよ。
M:ボリューム操作だけじゃなくてピッキングの強弱や角度、これらをキッチリ表現してくれな
いと困るわけですよね。
L:その通りです。
M:その点、マーシャルは信頼できる?
L:もちろん!
M:それに安いし…。
L:そうなんですよ!マーシャルって絶対安い!
マーシャルとの出会い
M:我々…って言っていいですか?(会場笑)我々が若いころってマーシャルを弾くどころか、匂いすらかげなかった。
L:そうそう!世の中になかったからね。あっても楽器屋さんのショウウィンドウの中。試すことなんて到底できなかった。
M:ルークさんは幾つぐらいでギターを始めたんですか?
L:僕は10歳くらいかな?
M:早ッ!ご存知の方も大勢いらっしゃるとおもいますが、ま、昔はもう気が遠くなるぐらいマーシャルは高価だった。でも、ジム・マーシャルの方針もあって、また世の中も色々変わって今みたいに気軽に入手できるようになりました。
L:お会いしたいですね、ジム・マーシャル!
M:ルークさんのマーシャルとの出会いっていかがでした?
L:僕はフォーク小僧だったんですよ。姉貴がディープ・パープルのレコードを買ってきて…。
M:出た!「お姉さんのディープ・パープル」!このパターン多いんですよね~!
L:全部マーシャルでしたよね。それが出会い。このアンプを使うとこんなカッコいい音が出るのか~って思った。
M:「ライブ・イン・ジャパン」?
L:いや「マシン・ヘッド」だった。
M:でもあれってマーシャルの写真とか入ってましたっけ?
L:どうだったかな?ホラ昔はレコードなんてそう買えなかったじゃない?だから、ウチは「マシン・ヘッド」、アイツんちは「ライブ・イン・ジャパン」とかいって交流が広がって情報量も増えていいった。
M:パープルなんだ?ツェッペリンじゃなくて…。
L:もう完全にディープ・パープル。ツェッペリンみたいなブルースを基に延々に弾いていくみたいなものよりジョン・ロードの「ハイウェイ・スター」のソロの方がリリカルで美しくて好みだった。
M:やっぱりマーシャルに憧れた?
L:もうメチャクチャ憧れましたよ!目標。アレさえあれば何とかなる!…みたいな。
M:では生まれて初めて行った外タレのコンサートって覚えています?
L:ウン。Tレックス。
M:マーク・ボランがいた頃ですよね?それって相当おマセですよ。
L:だから姉貴ですよ。でも知ってる曲を演ったっていう印象がないんですよ。「ゲット・イット・オン」は演ったらしんだけど…。演奏の前に映画が上映されたんですよ。20分くらいの。もうそれの音が大きくて「ウワッ、すごい所へ来てしまった!」ってすごく驚いた。
つづく












































































































































































