CRYSTAL BREED始動~ジャーマン・ロックからの回答
マーブロの読者の皆さんは「イギリス(含むアイルランド)以外のヨーロッパのロック」というとどの国を思い浮かべるだろうか?
個人的にはやはりプログレ、シンフォニックの密度が濃いイタリアかな?何たってarti & mestieri(今週フリオ・キリコからメールが来ていましたが、精力的に活動中とのこと)やAREAがいるし、イタリア語ってロックビートに乗ると案外ロマンチックなんだよね。
フランス?GONGは別格としてANGEやZAO、TAI PHONGやATOLLも素晴らしい。たまにはZNRもいいもんだ。
FOCUSやFINCHのオランダ?チト弱いか?でもTRACEはカッコいい。
ヨーロッパやアバ、イングヴェイ、最近ではアーク・エネミーやイン・フレイムス等々数多くの名バンドを輩出している強国スウェーデンを抱える北欧も捨てがたい。SBBとかOMEGAなんかの東欧勢も面白い。
日本に入ってきているバンドの数やジャンルの幅を考えるとやっぱりドイツか?タンジェリン・ドリームやクラフトワークをはじめたとした電子音楽勢は今でもポピュラーだし、CANの存在もデカイ。ファウストやアシュ・ラ・テンぺルなんてのもいたし、メタルに及んではひとつのジャンルまで確立した。でも、ジャーマン・ロックのアイコン的存在はやっぱりスコーピオンズでしょう。ウルリッヒ・ジョン・ロートという不世出の天才ギタリストを輩出し、数々の名盤によって世界中のロックファンに影響を与えたことは間違いない。
そのスコーピオンズ…終わってしまうんだそうだ。さびしい限り。
ところが、層の厚いジャーマン・ロック界のこと、ちゃんと素晴らしいアーティストが出てくることになっている。このニクラス・ターマン(Niklas Turmann)もそのひとり。
もうマーブロの読者にはおなじみでしょう。先日のフェア・ウォーニングのサポートで来日していたからね。一昨年のウリのサポートも務めたスゴ腕ギタリストだ。
そのニクラスが結成したバンドがCRYSTAL BREEDだ。
ニクラスがマーシャル(JVM410H)を愛用している関係でマネージメントよりプロフィールが送られて来たので紹介しておく。
「ニクラス・ターマン(Niklas Turmann、vo&g)と彼の幼稚園時代からの長い友である、
コーヴィン・バーン(Corvin Bahn、key)がウリ・ジョン・ロート・バンドのメンバーとしてワールド・ツアーに参加したことに触発されて結成したバンドがCrystal Breed。
その後、ニクラスが在籍していた「ハノーファー音楽大学」で出会ったマイケル・シューガルト
(Michael Schugardt、b)とトーステン・ハーニッツ(Thorsten Harnitz、ds)を加え2008年に本格的にバンドをスタートさせた。作品はニクラスとコーヴィンのペンによるものがメイン。
2008年末に3曲を完成させ、これを足掛かりに北ドイツのライブハウスを中心にギグを行い、
現在はフル・アルバム用の楽曲も完成させいよいよ今夏からファースト・アルバムのレコーディングに入る予定」
それではCrystal Breedのサウンドを聴いてみよう!⇒CRYSTAL BREED My Space
エレクトリック・ギターのパートはすべてJVMで録ったそうだ。
決して少なくない数の音楽関係者が口にしている通り、また、マーブロの他の記事でも触れているように、ロックはもう新しい要素など必要としておらず、いよいよ折り返し点に立っているのではないかという見方がある。
もちろん一種のノスタルジアであることは否めないのだが、練習を積み重ねずとも比較的気軽に演奏できる種のロックがあまりにもはびこりすぎて、音楽の厚みや深さ、器楽の楽しみを見失ってしまったと大衆自らが気づいて来ているということだ。
キチッと練りこまれたCRYSTAL BREEDの音楽はこのような見方を証明する回答のように聞こえる。
ユーディ・メニューインがかつてロックを指して言っていたように「音楽は鬱憤ばらしでない!」とニクラスも言っているような気がする。
ウリ・ジョン・ロートを師と仰ぎ、クィーン、ビートルズ、ピンク・フロイド、プログレッシブ・ロックなどに影響を受けたニクラスが作り出す音楽に惜しみない拍手を添えつつ期待したい。






