藤岡幹大著『TRICK BOOK』~斬新なプレイング・アイデアがテンコ盛り!
ギターの楽しさって何だろう?コードをかき鳴らして一緒に歌うこと?テクニックを駆使してカッコよくソロを弾くこと?自慢のギターを床の間に飾って眺めること?ホントにギターって楽しみ方がいろいろあって魅力的な楽器ですよね?
ポピュラー音楽史を顧みると、ロックがこの世に生まれる前、ジャズの世界においてはもともとギターはリズム楽器でした(ドラムレスが普通のジャンゴ・ラインハルトのようなマヌーシュは例外としてソロ楽器として活躍していましたが)。音量が小さいのでソロを弾いても聴かせる場面がなかったんですね。ところがエレクトリック・ギターなるものが1940年代に発明されギターも大きな音が出せるようになり、バリバリとソロを決めちゃう人が出てきた。チャーリー・クリスチャンなんて人たちですな。それから、ギター・ソロのテクニックはジャズにおいてもロックにおいても進化に進化を重ねて今日に至っているわけです。ロックの場合はそれに道具の進歩の力も相まってもはや限界まで来ているかの感さえあります。
一方、音楽界はどうかというと、進化の極致まで達したテクニックをよそにドンドンとギター・ソロの出番が少なくなっていて、もう5年もすると「ギター・ソロ」とか「リフ」なんて言葉がなくなってしまうのでは?と恐怖心を抱かざるを得ない状況ですよね、ギター・ファンのみなさん?!
「手軽さ」だけがギターの楽しみではないのです。ギター・ソロを弾くということはなるほど途方もない練習の時間と過酷な鍛錬を必要としますが、それを克服するとギターの楽しみ、音楽の楽しみが信じられないくらい大きくなることでしょう。
そこで登場するのが今回の主役、藤岡幹大。この人くらいの達人となると、そりゃバッキングだのヴォイシングだの、ソロ以外でも畏れ多いものがありますが、やっぱりスリリングなソロが最大の聴きどころ、楽しみどころでしょう。
今回上梓されたのがヤングギター誌で好評連載中の藤岡氏の講座「TRICK BOX」の単行本『TRICK BOOK』。内容かなり濃いです。何せ第4回からもう「ホール・トーン・スケール(鉄腕アトムのイントロに使われている音階ね)」が出てきちゃうんですから!ペンタトニックでのソロに何か味付けをしたいなどという向きには最高のネタ本となるでしょう。
音源の収録には藤岡氏の愛器JVM410Hが使用されています。JVMの信号をアンプシュミレーターなしでそのままミキサー卓に送って録音しているのです。恐るべしJVM!
恐るべし藤岡幹大!




