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2008年11月 6日 (木)

ウリ・ジョン・ロート(Uli Jon Roth)、マーシャルを語る~ウリがやって来るぞ!

こんな仕事をしていると幸運にもたくさんのプロ・ギタリストに接する機会があります。そんな折には当然音楽や好きなギタリストに話が及びます。そして、驚くほどたくさんのギタリストがこの人に影響を受けたとおっしゃいます。「この人」とは本日のメイン・キャスト、ウリ・ジョン・ロート(Uli Jon Roth)です。

そして、もうすぐ奇跡の来日!しかも、東京公演は30年前、スコーピオンズの『蠍団爆発 -Tokyo Tapes』をレコーディングした中野サンプラザホール。それだけにウリ自身も今回の来日は感慨が深いようです。

その来日公演に先立ちまして、ウリがマーシャル・ブログへのオリジナル・インタビューに応じてくれました。ウリが語るマーシャルへの想い、ジミ・ヘンドリックスのこと、いいアンプとは?…ぜひお楽しみください。そして、コンサート会場でお会いしましょう!

Uli

マーシャルとの出会い

YMT(以下Y):1960年代後半から70年代の前半、ドイツと日本のマーシャルに関する状況は大きく異なっていたと思います。はじめてマーシャルを知ったのはいつ、どうやって?

Uli Jon Roth(以下U):70年代の最初のころは確かにドイツでもマーシャルはどちらかといえば珍しい方だったと思います。まわりでマーシャルを使っているバンドはほんのわずかでした。イギリスのバンドはすでにマーシャルを使っていました。ドイツではジワジワと広がっていった感じでしたね。当時はもっと小さいアンプが主流でしたね。

Y:あなたにとって一番最初のマーシャルを覚えていらっしゃいますか?もし、そうであればどんなモデルでしたか?

U:もともとはVOXのAC30を使っていました。最初のマーシャルは1972~1973年Dawn Road(ドーン・ロード)のころ手に入れました。100W Super lead Plexiのトレモロ付きでハンブルグで購入ものです。中古品だったような気もしますが、今となっては定かではありません。このアンプは私のすべてのアルバムで使われています。今でも大事にしています。とてもクリーンで特徴のある音がします。アンプを歌わせるにはかなりドライブさせなければならないんですよ。以前、出力をしらべたことがあったのですが、あのアンプはクリップする前で何と140Wも出ていたんですよ!

Y:あなたのキャリアの中で通り過ぎてきたマーシャルを覚えていらっしゃいますか?

U:非常に少ないですね。いくつかはなくしてしまったし、リペアに出したまま忘れてしまったなどというものもありましたが…。ツアーではほとんどすべてのモデルを試しましたが、いつもSuper Lead Plexiのリイシューに惹かれていきますね。それとVintageModernと50W(1987X)も大好きです。

ジミ・ヘンドリックス

Y:この仕事を通じて実にたくさんのプロ・ギタリスに接する機会があるのですが、多くのギタリストが「影響を受けたギタリスト」としてあなたの名前を挙げます。そして、あなた自信に影響を与えたギタリストがジミ・ヘンドリックスということをおっしゃっていますね?そこで、ジミに関していくつか質問をしたいのですが…マーシャルを使うことについてジミの影響を受けていますか?

U:私がジミの演奏を見た時、アンプには興味がありませんでした。まだ若すぎたんです。アンプの選択がこれほど重要だったなんて知らなかった。

Y:そう、ジミのステージを実際にご覧になったんですってね?ジミは日本に来なかったので、実際に彼のステージを見た経験のある日本人はほとんどいないと思います。あなたの経験からして、つまり、一流の音楽家の目と耳を通した本物のジミの演奏はいかがでしたか?いつ、どこでご覧になられたのでしょう?マーシャルを弾いていたと信じていますが、どんなサウンドでしたか?

U:実は2回見ているんです。最初は1969年のことでした。2回目はフェーマルン島(バルト海南部に浮かぶ島)で開催された彼の最後の大きなコンサートでした。2回ともマーシャル・スタックを使っていましたよ。最初に見たのはハンブルグのとても美しいホールでのことでしたね。とにかくファンタスティックなサウンドでした。ギターの音が途方もなく大きくてコンサートの後、耳がキンキンしていました。でもサウンドは本当に驚くべきものでした。あんなサウンドはそれ以前はまったく聞いたことがなかった。何というか宇宙からの巨大な声というか…。あのトーンは生涯忘れ得ないでしょう。パワフルでウォームで、そしてまるで歌をうたっているようで…。

セッティングについて

Y:マーシャルのセッティングについて何かこだわっている点はありますか?たとえばいつもMIDDLEは10にしているとか。

U:会場によってまったく異なります。各々の会場によって異なったセッティングのアプローチが必要なんです。最初のころはアンプを鳴らしてよい音を得ようとかなりハードなセッティングにしていたものですが、今ではもっと洗練されたアプローチをしています…。

すぐれたアンプとは?

Y:ストレートな質問です。マーシャルのよさって何だとお思いですか?

U:マーシャルはユニークなものです。あんなアンプは他には絶対ありません。マーケットにはマーシャルと異なったサウンドやキャラクターを持った他のブランドのよいアンプもいくつかありますが、時々それらをマーシャルとミックスして使うのが好みだったりします。しかし、ライブやレコーディングということになると、メインのチョイスはどうしてもマーシャルになる傾向がありますね。それにマーシャルはとてもタフでツアーにも持ってこいなんです。非常に壊れやすいアンプというのもありますからね。マーシャルは丈夫で頑丈です。マッチョマンに言わせれば「マーシャルこそ男のアンプだ」ってことになるでしょう。

Y:あなたの作品のなかでお気に入りのマーシャル・サウンドは?

U:わかりません。私のサウンドは常にチャレンジを続けていますから。でも、いつも同じか、似たアンプを使うようにする傾向があるんです。さっきも言ったように昔はアンプをハードにセッティングしていました。しかし、発見したんです…アンプの豊かなダイナミクスによって生み出されるプレイの美しさというものを。それを実現してくれるアンプこそマーシャルなんです。

Y:私の人生の中で大きな後悔のひとつは、1978年のスコーピオンズの中野サンプラザ公演を見逃したことです。翌年の来日公演には行きましたが、もうあなたはいらっしゃらなかった。とてもガッカリしました。そこで私のような後悔をしないように、今回のあなたの来日公演はできるだけ大勢の方に見てもらいたいと願っているんです。最後に、日本のギター・プレイヤーやファンの方々にメッセージをいただけますか?

U:また日本に行くことを本当に楽しみにしているんですよ。中野サンプラザホールは音響も素晴らしいし…とても印象に残っているんです。あの音響があのまま残っているといいのですが…。会場でたくさんの方々にお会いできるよう願っています。そして、会場の空気を昔と変わらぬマーシャル・サウンドで満たすことでしょう。

Y:どうもありがとうございました。もうすぐお会いできますことをとても楽しみにしております。

★ウリ・ジョン・ロート来日公演の詳細はコチラ⇒ザックコーポレーション公式ウェブサイト

(2008年11月5日 emailにてインタビュー)