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2008年4月21日 (月)

ポール・ギルバート、マーシャルを語る

我等がポール・ギルバートがマーシャル・ブログのオープンを記念してインタビューに答えてくれました!マーシャルへの熱い想い、VintageModernの使い方など充実した内容でお届けします!


マーシャルとの出会い

YMT(以下Y):月並みな質問ですが、マーシャルとの出会いについてお聞かせください。いつ、どこで、どうやって?

Paulgilbert ポール・ギルバート(以下P):僕が11歳、ギターのレッスンを受け始めた時だよ。先生に最高のロック・アンプは何かと訊いたんだ。「MARSHALL」と答えてくれたよ。

そのころはとても小さい町に住んでいてね、そこにはたった2軒しか楽器店がなかったんだ。それもトランペットやドラムのような学校のマーチングバンドで使う楽器しか取り扱っていなかった。だからマーシャルにトライすることはできなかったんだ。

僕の最初のライブでのマーシャルの体験はちょうどロックコンサートに行き出したころのことだね。ヴァン・ヘイレン、UFO、パット・トラヴァース、サクソン、ランディ・ローズがいたころのオジー・オズボーン、そしてデフ・レパード。これらのバンドはすべてマーシャルのスタックを使っていた。そしてギターのサウンドはチョー最高だったね!

それからマーシャルを使っていた地元のバンドを聴きに行った。そこは小さなクラブだったのでアンプの音がしっかりとチェックできたんだ。そのギタリストのサウンドはとんでもなく素晴らしくて、正真正銘マーシャルのサウンドだった。そのアンプがメチャクチャ欲しくなったのを覚えているよ。

Y:一番最初に手に入れたマーシャルは?そして、その後のマーシャル・キャリアを教えてください。

P:15歳の時、1974年製の50W MKIIが$250で売りに出ているのを見つけんたんだ。その時の僕には大金だった。でもお父さんがお金を貸してくれたんだ。そうしてそのマーシャルをゲットすることができた。家に持って帰って鳴らしてみた。そう!もう途方もなくデカイ音だったよ!マスターボリュームがないモデルだったもんだから歪ませるには思い切りボリュームを上げなきゃならなかったんだ。そりゃものすごい爆音だよ!!でも、音はすごくよかったな。その後、お父さんがマスターボリュームをつける方法を探してきてくれたおかげで小さい音でもアンプを歪ませることができるようになったんだよ。
そのアンプはレーサーXの最初の2枚、”Street Lethal”と”Second Heat”でも使ったんだ。残念ながらレコーディングをする友達に貸したところ、彼の車から盗まれちゃったんだよ!!

お気に入りのマーシャル・サウンド

Y:お気に入りのマーシャル・サウンドは?具体的にアーティスト名やアルバム名などを挙げていただいても結構です。

Paulgilbert2 P:マイケル・シェンカーとルドルフ・シェンカーはふたりとも最高のマーシャル・サウンドを出すよね。僕は「UFOライブ(Stranger in the Night)」でのマイケルのサウンド、それから「ラヴドライヴ(Lovedrive)」や「蠍魔宮(Black Out)」のルドルフのサウンドが大好きなんだ。
僕はいまだにサウンドチェックのときはいつでも「ブラック・アウト」のリフを弾くんだよ。それから「大いなる野望(Corridors of Power)」のゲイリー・ムーアのサウンドもいいな。もちろん、モンタレーの時のジミ・ヘンドリックスのサウンドもはずせない。

VintageModernについて

Y:もし差し支えがなければ今のVintageModernのセッティングを教えてもらえませんか?

P:まずMID BOOSTをオンだ。そしてDYNAMIC RANGEをHIGHにセットして…

BODY              : 6
DETAIL            : 4
TREBLE            : 5.5
MIDDLE            : 3.5
BASS              : 7
PRESENCE          : 6
MASTER VOLUME     : 8
REVERB            : 0

ってところ。
もちろん、会場の音場によって調整するよ。たいていは自然なブライト感を出すようにするんだ。もし、会場がデッドの時にはDETAILやTREBLEをあげるかな。REVERBもホンノ少し。

Y:あなたはよく50Wアンプをお使いになりますが、100Wを使わない何か特別な理由があるのですか?

P:僕はパワー管をフルに働かしたサウンドが好きなんだ。そうすると100Wのアンプは僕が演奏するような現場では音が大きすぎちゃうんだね。

Y:マーシャルに限らず、一般的にアンプのお好みのセッティングというものはありますか?例えば、いつでもMIDDLEはフルにしているとか…。

P:新しいアンプを試す時にはまずギターのボリュームを低くするんだ。(10のうちの)2とか3位かな。アンプがどうクリーンになるか見るんだ。そして純粋なトーンを確かめる。それからゆっくりとギターのボリュームを上げていってオーバードライブの具合を見る。サスティン、コンプレッションを得るために充分に歪ませる。でも弾き終えた場面ではノイズやハウリングが起こらないようなクリーンさもなければならない。

試してみたいマーシャル

Y:試してみたいマーシャルはありますか?もし、モデル名がわからなければ、「誰それの何々」という感じでも構いません。

P:いつもマーシャルの公式ウェブサイトに見入って空想にふけっているんだよ!実際、最近2061Xを手に入れたんだ。まず最初に、見た目がメチャカッコいい!! すごく小振りでノブが4ケしかないのもいいね!これから発表されるビリー・シーンのソロ・アルバムの中の曲のギター・ソロで使ったんだ。それから、これから発売が予定されているニール・モースのアルバムでも使ったよ。とにかくピュアなギター・トーンが素晴らしいし、グッとボリュームを上げた時がたまらなく気持ちいいんだ!

一方では1987Xも試したいと思っているんだ。僕が最初に手に入れたマーシャルとそっくり同じだし、初期のレーサーXの作品で使っていたヤツだからね。もう一度あのトーンを試したいんだ!

そしてもちろん、ランディ・ローズのシグネイチュア(1959RR)!ランディのサウンドは僕が人生で聴いたヘヴィ・メタル・ギター・サウンドの中で最高のものだよ。僕は15歳の時に2度ほど彼を見た。2回ともその素晴らしさに打ちのめされちゃったよ!

最近の活動状況

Y:マーシャルに関係した最近の活動状況を教えてください。言い換えればマーシャルを使って最近はどんな活動をされているんですか?

P:去年G3のツアーのために2X12”のVintageModernコンボ(2266C)を買ったんだ。毎晩2266Cを劇場で使っていたのでパワー管をフル稼働させることができて、このアンプのテストには最高だった。このアンプのパワー管は特別なんだよ。KT66のサウンドはとてもウォームで倍音を出しまくるんだ。このサウンド、この感覚、言うことないね!! 
2×12”コンボだというのにジョー・サトリアーニやジョン・ペトルーシのサウンドと互角に渡り合うことが出来るんだよ!

そのツアーの後、家に戻ってVintageModernでニューアルバム「咆哮(Silence Followed by a Deafening Roar)」をレコーディングした。たくさんの人からギター・トーンについてのお褒めの言葉をいただいたよ!本当にVintageModernは他とは一線を画したアンプなんだ。

ライブとレコーディング

Y:マーシャルをレコーディング・スタジオで使うときとライブで使う時、明らかに区別していることは何かありますか?もしそうであれば何を、どうしていますか?

Paulgilbert3 P:アンプのセッティングの最も大きな要素はマスター・ボリュームをいかにセットするかだ。小さな会場ではそれほど大きな音は出せない。他の楽器とのバランスがあるからね。最近はギター・クリニックをよくやるんだけど、大抵は大きな音を出せない会場が多いよね?そういうときにはTHD Hot Plateを使うんだ。マスターボリュームを上げるためのアッテネーターだね。家でも使っているよ。僕のスタジオは完全な防音ではないからね。近所の人々を怒らせることなくパワー管をフル稼働させるには便利だね。

VintageModernのすすめ

Y:音のよさだけでなく、レスポンス、弾き心地等も含めてVintageModernのよいところを教えてください。

P:VintageModernは本当に美しいトーンを持っていると思う。今まで過去に使ってきたアンプのいくつかは「紙やすり」みたいな感じがする。そこへいくとVintageModernはまるで「七色の小石」という感じだね。それからシンプルなところも好きだな。マルチチャンネルのアンプは使ったことがないんだ。もしクリーン・サウンドが欲しければ、ただギターのボリュームをさげてやればいい。もしもっとサスティンやディストーションが欲しければオーバードライヴ・ペダルを使えばいい。僕がアンプに欲するのは最高の音を出すチャンネルがひとつあればいいということだ。VintageModernは完璧だね!

Y:最後に日本のファンの皆様にマーシャルについてひとことお送りしてあげてください。

P:まだ子供のころ、僕のおじさんがアンプに関するアドバイスをくれた。彼が言うには「アンプには“楽器屋アンプ”というものと“ライブ・アンプ”というものがある。つまり、楽器屋さんでアンプを試奏するときは大きな音では弾けない。だからエフェクターを山ほどつなぐか、ギンギンに歪ませやらないとそれらしくないんだ。何しろ音が小さいからね。でも、アンプをステージに乗せてバンドとともに観客の前に出るときには、他の楽器から抜きん出て、最高にクリアで豊かな倍音を出すアンプが必要になる。おじさんのサウンドはその通りだった。彼のアンプはもちろんMarshallだったよ!

僕のアドバイスは、「バンドといっしょに爆音でマーシャルを鳴らして世界中をロックしよう」だ!

Y:どうもありがとうございました。

P:Thank you!

*2008年4月11日、emailを通じて本人にインタビューしました。