2010年7月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

メイン | 2008年5月 »

2008年4月

2008年4月30日 (水)

島紀史のロードショウ(4月29日)

4月27日に引き続き、イシバシ楽器渋谷店の主催により渋谷J POP CAFEにてロードショウが開催されました。会場がライブハウスのため、飛びきりの爆音でお送りしました。(写真はリハーサルの風景)

Shima_shibuya_birdseyeview

前回は音環境の関係で1959RRランディ・ローズを曲に乗せて弾くことができませんでしたが、今回は大爆発!"Time to Die"を思う存分弾いてもらいました。

Shima_shibuya_reha

特筆すべきは"Concerto Moon"。リストの"ラ・カンパネラ”を引用した人気曲ですが、イントロから最後の1音まで火を噴くようなプレイの連続。島氏の魅力はそのテクニックだけでなく、歌心あふれるアドリブプレイ。まったく…スゴイものを見せていただきました、ハイ。

Shima_shibuya_back2   

Concerto Moon川越Departure出演決定!詳しくはコチラ⇒http://live-departure.com/

2008年4月29日 (火)

沢頭尊志(DORA)のVintageModern

ichiro氏とともに加藤和樹氏のサポートを努める沢頭氏もVintageModernの魅力にハマッている。氏の愛用ギターはテリー。ギターの特性を活かしつつ美しいトーンをクリエイトしている。

Sawagashira_budokan

氏のセッティングはDYNAMIC RANGEをHIGHにして、低域を抑え気味にしている。分厚いクランチ・トーンはまさにVintageModernならではのもの!

Sawagashira_budokan_2266hs

(2008年4月28日 日本武道館にて撮影)

2008年4月28日 (月)

ichiroのVintageModern

いいアンプを知り尽くした男、ichiroがVintageModernを使うのは当然のことと言えるかもしれません。加藤和樹氏の日本武道館のライブでは2266と425Bがステージに上りました。

Ichiro_budokan_2466hs

ichiro流VintageModernの使い方の特徴は、DYNAMIC RANGEをHIGHにしておいてゲインをあまり上げずアンプ側であまり歪ませないこと。ソロ時にはオーバードライブ・ペダルをオンにする。この方式を取るギタリストはDYNAMIC RANGEをLOWにして比較的ゲインを高めにセッティングすることが多いがichiroはその逆。しかも、驚くことにBODYはゼロ。その分、MIDDLEとBASSを上げて低域をカバーしている。別掲の土方隆行氏のセッティングと比較すると面白い。(プロのマーシャル:土方隆行⇒http://blog.marshallamps.jp/blog/2008/04/vintagemoderna-.html

Ichiro_budokan_panel

どのようなセッティングにしても使用ギターの特性、プレイング・スタイルを極上のトーンで明確に表現してくれるのがVintageModernの特長なのだ!

Ichiro_budokan_hiki

(2008年4月28日 日本武道館にて撮影)

2008年4月27日 (日)

島紀史のロードショウ(4月27日)

久方ぶりの島氏のロードショウがイシバシ楽器立川店で開催されました。氏愛用のVintageModernの紹介はもちろんのこと、本邦初公開となるランディ・ローズ・シグネイチャー1959RR、6月に発売を予定しているJVM210Hのデモンストレーションをお送りしました。

Shima_tachikawa_3amps

昨年よりビンテージのマーシャルからVintageModern2466に切り替えた島氏のサウンドはますますもって素晴らしく、"Waitibf for a Miracle"、"Gate of Triumph"等息を飲むパフォーマンスの連続で、4月19日渋谷BOXXで開催されたコンチェルト・ムーン10周年記念ライブ同様VintageModernの良さがフルに発揮されました。

Shima_tachikawa_up_2

そしてコンチェルト・ムーンの10年の足跡が詰め込まれたCD&DVDのBOXセットがこれ。まさに「鋼鉄の教典」!コンチェルト・ムーンの歴史はマーシャルとともに歩んできました。

Shima_box

Shima_tachikawa_cd

次回の島氏のロードショウは4月29日(祭)渋谷J-POP Cafeにて。

詳しくはコチラ⇒http://www.ishibashi.co.jp/sale-event/0427_marshall-shima/

そして、コンチェルト・ムーンが5月6日、川越に新しくオープンするライブハウスDEPARTUREのこけら落し出演が決定!夜叉とともに白熱のパフォーマンスでDEPARTUREの門出を祝います。

詳しくはコチラ⇒http://live-departure.com/

原田喧太のJVM&MODEFOUR

松本和之氏サポート時のセット。長年MODE FOURを愛用してきた原田氏だが、JVMの登場とともに併用態勢に突入。キャビネットは相変わらずMF280Bを愛用している。上2台はダミー。

Kenta_jvm_mf_5

JVMは複数のチャンネルを使用。特にお気に入りはCranch/Orange、Clean/Green、Clean/Orange、OD1/Orange、OD2/Red。16のカッティングにはClean/Orangeも使用している。一点の曇りもないクリスタル・クリーンよりもピッキング強さによっては軽く歪むOrangeモードの方が弾いていて気持ちよいのだ。ギターを弾き込んだ人間のみが知り得る快楽?

Kenta_jvm_2 

そして、原田氏は発表直後から使用しているMF350も愛用している。

Kenta_mf_2

2008年4月26日 (土)

橘高文彦の1987

筋肉少女帯のライブより(CCレモンホールにて撮影)。やはりロックのステージはこうでなきゃ!マーシャルの壁はもっとも単純にしてもっともカッコいい舞台装飾でもあります。もちろんサウンドも最高!

Kitsutaka_wall

Kitsutaka_wall_side_2

これが橘高サウンドをクリエイトしているマーシャル(下段)。両方とも1987だがメインで使用している下段は100Wキャビネットに納めてある。シリアルナンバーによるとメイン(下段)は1974年製、サブ(上段)は1969年製。

Kitsutaka_heads2

長谷川暖(Rockamenco)のAS

Rockamencoで尾藤大介氏とともにフラメンコ・サウンドの核を担う長谷川暖氏もAS100Dのファン。AS100Dが彼の華麗なフラメンコ・テクニックをサポートしています。

Dan_stage

「品がよくてやわらかいサウンドが気に入っています。僕のフラメンコ・ギターとテイストがマッチしていて、ギターのよい部分を引き出してくれる。おまけにパワー感も申し分ないのでバンドの中でもギターの音が埋もれることがないんだ」

Dan_as100d

2008年4月25日 (金)

中村達也(Blindman)のVintageModern

ベテラン・ヘビィメタル・バンド、Blindmanの中村達也氏も2466にぞっこんだ。氏はかつてDSL100を愛用していたが、発売と同時に2466に切り替えてしまった。キャビネットは80年代の1960Bを使用。

Nakamura_stage2

氏はレス・ポールを使用。Dynamic Rangeは常時Highに設定。Mid Boostも入れっぱなしにしている。また、オーバードライブ系のエフェクターも接続しているが、歪みを加えているわけではなくブースト効果を狙っているだけ。また、クリーンの時には中域が出すぎてしまうため、イコライザーで調節している。図太い伝統的なハードロック・ギターサウンドが素晴らしい!

Nakamura_halfstack

また、中村氏のVintageModernの使い方の大きな特徴のひとつはセンド&リターンを活用していること。クリアにディレイ音を再生するため専用にキャビネットを1台用意しているのだ。通常はセンドから送り出される信号をデジタル・ディレイ・サイドでシャットしておき、ソロなどディレイ音が必要な時だけ信号を外部パワーアンプに送り出し、ディレイ用キャビネットを鳴らしているのだ。(ダイレクト音はカットしておき、ウェット音だけを送り出しているため非常にクリアなサウンドとなる)

Nakamuta_2466panel2

橘高文彦(筋肉少女帯、X.Y.Z.→A)、マーシャルを語る

永遠のマーシャリストにして50ワッター、橘高さんのマーシャル・ロードショウからのトークを収録しました。当日はVintageModernの素晴らしいデモ演奏、マーシャルに対する橘高さんの熱い思いに加え大爆笑トークが炸裂。3時間近い長丁場となりましたが大いに盛り上がりました。以下はその抜粋です。

★橘高さんは当日VintageModern 2266と425A、さらに2203KKとMF280Bを使用しました。

マーシャルとの出会い

YMT(以下Y):マーシャルとの出会いと言えばどれくらいさかのぼるんですか?

橘高氏(以下K):ん~、小学校ですね。11歳のときかな?キッスではじめてマーシャルを知りました。76年が初来日。

Y:あ~、日曜日の昼の部に行きました。中学の時…。

Gt K:いいなぁ、オレは大阪の小学生、行かせてもらえなかった。それで、当時のキッスのレコードは見開きの紙ジャケ(当り前!)が多くて、その内ジャケにステージ写真が載っていたんです。

Y:「地獄のナントカ」ですな?

K:「ロック・ファイア」。それで、興味を持って「ミュージック・ライフ」なんかをよく見たりしたワケです。当時のキッスのステージというのは、ステージのドーンと階段が設置されていて、その後ろの上下に16台ずつキャビを置いていたんですよね。ちゃんとMarshallってロゴもついてて。カッコいいと思った。

Y:あの年は少し前にエアロスミスも初来日を果たしましたね。

K:エアロは通ってないんですよ。ボトルネックとか使っててちょっと土臭くて苦手だった。それよりも、いわゆる商業ロックが好きだった。チープ・トリック、キッス、クイーンが3大アイドルなんです。チープ・トリックもマーシャルでしたね。その頃から外タレというか、ロックに興味を持って…漠然とギターにも興味があって音楽雑誌をよくチェックしていました。その頃、好きだった人達がみんなマーシャルだったんですね。リッチー・ブラックモアしかり、マイケル・シェンカーしかり、スコーピオンズしかり…ステージのマーシャルの壁はキッスのトラウマです。

マーシャルを手に入れる

Y:キッスの後は? K:ギターに夢中になって、プロになろうと思って…アンプが欲しいじゃないですか?でも(VintageModernを指して)なかなかこんな大きいの 買えないじゃないですか?それで、好きな人達と同じ楽器を使っていい音が出なかったらダメだと思っていたんですね。で、高校生になってマーシャルを買ったんです。JCM800を。自宅のアパートに置きましてね…ボリュームを極小にしても音がデカイんですよ!つまり、「自宅でマーシャルを弾くな!」ってことですよ。

Y:音だけじゃなくて家に入れるとサイズもやたらとデカイですからね!

K:そうそう!それでオレはあまりエフェクターを使わないでしょう。せいぜいワウワウとオーバードライブくらい。これは好きだった人達の影響なんだけど、マーシャルを手に入れて、マーシャルとギターだけ諸先生方のようないい音が出せなかったらフィンガリングやピッキングがダメということなんだと思えるじゃないですか?

Y:イヤイヤ、それは最後にわかるんじゃないですか?

K:そんな!最後じゃ遅すぎるじゃないですか(爆笑)!

Y:それがわからないからいろんな機材を試すんですよ。

K:そうか!オレもナンダカンダで20個くらいコンパクト・エフェクターを買いましたよ!省いていって結局今の状態になった。でも、アンプはマーシャル以外使ったことないな。

Y:すると、いっちばん最初からJCM800だったんですか?

Kitsutaka_roadshow K:もちろん、その前に練習用の小さいアンプは持っていましたよ。本格的にライブハウスに出るようになってからはずっとそのJCM800す。悪い音がするワケがないと思っていますもん。これもいわゆる「ブランド」ってヤツかな。絶対にいい音が出るって信用していたからテクニックを磨くことに没頭できたと思う。マーシャルのおかげです。

ロック・コンサートのシンボル

Y:ありがとうございます。さっきの「積み」の話しになりますけど、マーシャルって一番安上がりでカッコいい舞台装置だと思いません?

K:オレが言ったらマズイと思って言わなかったけど、本当にそうだと思う。コンサートが始まる前に…たとえば緞帳の隙間からズラッと並んだマーシャルが見えると、いかにもこれからものすごい大音量のロックが始まるって感じがして興奮するじゃない?人間って音でも何でも大きなものに惹かれるんですよ。マーシャルはサイズも大きいし。まさにロックをシンボライズしてますよね。しかも、それをステージだけじゃなくてレコーディングでも使ってる。ソコなんですよ!

Y:って言いますと?

K:レコーディングはマーシャルでステージは違うって人はたくさん知ってるけど、ステージでマーシャルを使っている人は絶対にレコーディングでもマーシャルなんですよね。それぐらい色が強いんでしょうね。他のアンプを使って個性の強い音を出している人だと成り立たなくなっちゃうかもしれないな。

マーシャル歴

Y:それでそのJCM800の後は?

K:デビューしたのが80年代のヘビィメタル・ブームのころで…さっきもやってたライトハンド奏法とかね…そういう時代だったんです。ま、そういうのもいいんだけど当時はもうちょっとレイドバックした70年代後半くらいのギタリストが好きでそういう音を出したかったんです。それでオールド・マーシャルを探しにいったんです。自由が丘の…名前は忘れちゃったな。

Y:ビンテージ屋さん?

K:そう。もう筋少に入ることが決まってて、もうこのVは持ってた。ま、レコーディングもあるし、ツアーもあるしということで見に行ったんだと思うな。このVとオーバードライブを持っていって、片っ端からプラグインして買ったのが…何でしたっけ?

Y:1987。

K:そう。74年製。結局それがずっとメインですね。9割9分9厘使ってる。結構歪むんですよ。

Y:それと69年製ですね?

Kitsutaka_sunplaza2_2 K:そう、筋少に入って3~4年位経ってからスペアとして必要で手に入れたんです。JCMはずっとツアーなんかにも持って行ってるんだけど…いい意味でサ、マーシャルって気分屋じゃない?いくつも気分屋をそろえて選べるようにした方が面白いと思ったワケ。ですけど、1台ずつキャラクターが違って結局は69年の方は将来年をとってブルースかなんか演るにいい感じのマーシャルでした。

Y:いろいろなプロの方とお話すると結構マーシャルがその「気分屋」だとおっしゃるんですが、不思議と皆さんイヤがっていないで、むしろうれしそうにおっしゃるんですよね。

K:ギタリストは基本的にMなんですよ!さもなきゃ、こんなに練習なんかしませんって!

Y:かのジミ・ヘンドリックスもこう言っているんですよ。「マーシャルは最高だ。ちゃんと動きさえすれば」って。

VintageModernについて

Y:特に橘高さんのようにビンテージの機材をお使いになっているとメンテが大変ですよね?

K:やっぱりメンテだけは欠かせませんね。幸い俺には優秀なテクがいるから事なきを得ていますが。

Y:その扱いに気を遣わざるを得ないビンテージですが、このVintageModernでしたら代えが利くののではないか、とあるギター雑誌のインタビューでおっしゃられていましたが。

K:どこのメーカーでも当然の変化に合わせた商品を出してくるというのは当然のことだと思うんですよ。マーシャルにしてもチャンネルが複数あっていろんな音を出すモデルとかね。でも、ここへきて俺のビンテージのような古式ゆかしいアンプを作ったというのが素晴らしいよな~。

Y:一番のカギはパワー管にKT66を使っていることなんですね。そして、設計した男がスティーヴ・ドーソンといって元アニマルズのギタリストだったんです。ゴチャゴチャと色んな機能を詰め込むんではなくて、本当に指で音を作ることができるアンプ。それに必要最小限な機能、例えばリバーブとかループとかを搭載したモデルというのが開発コンセプトなんですね。

K:本当にそうですね。さっきの演奏を聴いてもらえばわかると思うけど、普段の俺の音をほとんど変わりがないでしょ?リバーブが付いてるのがうれしくて…ガンガン入れちゃった。(実演)ノイズもさすがにビンテージよりは小さいし、EQも利きがいいし。やっぱり、ビンテージだとメンテが大変ですから、このようなモデルというのはビンテージ・サウンドを狙っているアマチュアの方には最適ですよね。この最初からリンクされているというアイデアと機能も便利でますますビンテージに近づけるようになっていますよ。

手元でつくられるトーン

Y:それからギターのボリュームを変えて異なったトーンを出すのも得意なんです。

Kitsutaka_wall_side K:そう。ギターのボリュームで歪みを調節できるというのも俺がマーシャルを好きな理由のひとつなんですよ。(実演)これができるのはマーシャルだけなんですよ!俺のライブを見てくれる人にはわかると思うんだけど、(実演:ボリュームを徐々に上げてクリーンからディストーションまでを連続で出す)こうやって、頂点にたどり着くまでつながっていたいじゃん?!チャンネルを変えるアンプだとこうはいかないもんね。これが色気がないと昔から思ってた。

Y:なるほどね。

K:それとピッキングの強弱で音を劇的に変えられるというのがマーシャルのいいところなんだけど……ムズカシイところでもあるワケよ。色気を出したいと思ったらやっぱりマーシャルだよね。そうでないギタリストはどのアンプでもいいんじゃないかな?

Y:そのピッキングの強弱でどれくらい音が変わるのかもちょっと見せていただけますか?

K:んじゃ、ボリュームには触らないで弾くからね。(実演)ホラね、こんなに音が変わる。

Y:模範を絵に描いたような演奏ですね!ピッキングする位置でも音が変わりますからね。まさに、ジミの時代から受け継がれてきた要素なんすね。

K:俺はリッチーで気が付いたの。(実演)

Y:橘高さんはオーバードライブ・ペダルをものすごく薄くかけているんですね?

K:EQみたいに使っているんです。ローを出してやって80年代メタルっぽいサウンドにしてる。(実演)歪みを足しているワケではない。(実演)

マーシャルに対する思い

K:でもさ、プロになってね、こうやってマーシャルにサポートしてもらってね、例えば俺がF1のレーサーでフェラーリのチームに入りたいんだけど、違うチームに入っちゃうなんてことがあるワケじゃない?マーシャルが好きでズ~とやってきて、今こうしてマーシャルとタッグを組めていることがメチャクチャ幸せなんですよ。

Y:マーシャル・ファミリーね!

K:ファミリーかぁ!(笑)

100Wと50W

Y:橘高さんは50W派ですよね?なぜ50W?

K:んマーシャルを初めて買いに行ったときにお店に100Wと50Wがあったんです。たいていみんな100Wですよね?でも試してみると100Wは音圧がありすぎるというか、コントロールできない感じがしたんです。こりゃマーシャルって大変だと思ったんです。で、次に50Wを試したところ家で練習しているような…いい意味でトランジスタ・アンプのような使いやすさがあったのと、いつも言うんだけど、歪みの粒子…それは、耳にも聞こえないし目にも見えないんだけど、細か~い成分がきれいに並んでいる感じがしたのね。100Wはその粒子が大きいの。男らしいんだけど、俺にはパワフルすぎたんです。その後も100Wを使う機会もあったけど、やっぱり100Wは100Wだね。前にグンと出てくるし、そこへ行くと50Wは引っ込んでる。そこがまた「哀愁」でいいんですよ。

Y:マイケル・シェンカーお好きですよね。あの人はJCM800 2205という2チャンネルの50Wを愛用していますが、その影響は?

K:もちろんありますよ。ソロになってからはこもった感じがですけど…プロデューサーの影響かな?…UFOの時はカラっとしててまさにああいう音ですよね。

Y:ポール・ギルバートも50W、イングヴェイもそうだ。もっと大物がいますよ、50Wの。

K:誰、誰?

Y:ジェフ・ベック。DSL50を使ってくれています。Bキャビネットしか使わない。

K:そうなんだ!

100Wと50Wの弾きくらべ

Y:橘高さん、せっかくここに100Wの2466もあることですし、実際に弾き比べてみましょうよ!セッティングは2266と同じにしてあります。

K:よっしゃ。(実演)

Y:どうですか?

Photo K:同じギタリストで同じアンプを弾いているわけだからそれほど音は違わないはず。でもね、弾いている方はすごく違いを感じるの。音的には50Wより太い感じがしません?弦が太くなったような感じもする。ほかのシリーズに比べてVintageModernは100Wでも扱いやすい感じがするかな。ノイズも昔のマーシャルに比べると格段に少ないね。俺、マーシャル・ノイズ大好きなんだけどね。いつかアメリカでレコーディングした時、向こうのエンジニアがブレイクで聞こえるマーシャル・ノイズを消そうとすんのよ。俺にとってはあの「シャー」が大切なの。あれがないとさびしくってダメなの。

ケリー・キング 2203KK

Y:じゃ、橘高さん、「シャー」がないヤツいってみましょう。まずはこのモデルの最大の特徴のザ・ビーストをオフにした状態。

K:(2203KKを実演)実はレコーディングでクリーンの音が欲しいときはJCM800を使っているのね。芯のあるクリーンなの。全部の帯域がまっすぐ出てくる感じ。これはあれ系のサウンドを感じますね。

Y:じゃ、今度はザ・ビーストを入れてケリーのサウンドにしてみましょう。

K:(実演:無信号じにまったくノイズが出ない)すごい!すごいけど俺のミュートはどうしてくれるんだ?(爆笑)オーバードライブもまったく要らないね。

Y:センド&リターンも付いてないんですよ。今時のアンプで。

K:俺、ただの一回も使ったことないけどね。こういう特化したものがいいんですよ!これもケリー・キングの人生に特化しているワケだ!

あこがれの音

Y:「この音を出してみたい!」というようなギタリストって誰かいます?

K:ん~、直結のサウンドということであれば、やっぱり76~77年くらいのキッスのおとかな。すごくロックな音だと思う。あと、UFOの「現象」のマイケル・シェンカーの音。俺はわりと昔から「自分の音」を作ろうと切磋琢磨してきたつもりなんだけど、ああ、あの音はいいなって最近思ったのはザック・ワイルド。ウォームでいいな。ランディ・ローズも好き。やっぱり直結のサウンドというものは何ものにも代えがたいと思うし、いい時代にマーシャルと出会うことができて幸せと思っています!

★マーシャル・ロードショウはデモンストレーションの他、このようにアーティストのトークも中心にお送りしています。

2008年4月24日 (木)

土方隆行のVintageModern

幅広い音楽分野をこなす土方氏はこれまで2203、TSL60、2061X等様々なマーシャルをその場の状況に応じて使いこなしてきたが、今回の玉置さんのツアーでは全面的に2466と425Bを使用した。照明の関係上、パイロットランプとダイナミックレンジのLEDが目隠しされている。

Hijikata_2466

ダイナミックレンジは常にLOW。足元にはクランチからディストーションまで3種類の歪み系ペダルをつなぎ、曲に応じて使い分けている。その音色はまさに鈴を鳴らすような美しいマーシャル・トーン。すべての機材のよいところが活かされているよう。それにしてもこれほど美しい!それでは、土方氏はどのようにVintageModernをセッティングしているのだろうか?

Hijikata_halfstack

「結局、こんな極端なセッティングになってしまいました。僕の場合、80%はBodyとDetailで音をつくります。イメージとしてはトーンの上と下を決めるって感じかな…。その間の部分をEQで調整しています。不要な部分を削っていったらこうなりました」と土方氏。なるほど、Detailが6、Bodyが4.5。プレゼンス、ベース、トレブルがすべて0。ミドルのみ4.5という極端なセッティング。(ミッドブーストはオフ)これであの極上のトーンが出てくるのだ!

Hijikata_panel

(玉置浩二氏 惑星ツアー 東京フォーラムAにて撮影)

2008年4月23日 (水)

原田喧太、マーシャルを語る

デーモン小暮閣下、Scoop On Somebody、松本和之等々人気ミュージシャンのサポートの他、自分のバンドでも様々な要素を取り入れた音楽をクリエイトしその幅広い活動を通じ、ベテラン・ギタリストとしての地位を確実なものにしている原田喧太。以前はあまりマーシャルがお好きではなかったようですが…。今では大のマーシャル・ファン。マーシャルのどこに魅力を見出したのか?(敬称略)

マーシャルとの出会い

YMT(以下Y):それではいつも通りの質問から…マーシャルとの出会いについてお聞かせください。

Kenta9 原田喧太(以下H):やっぱりまずはレコードだよね、当時の。あの頃ってサ、70年代の後半ね、アンプの種類なんか今と違ってあんまりなくて、雑誌なんかを見てもみ~んなマーシャルだったじゃん。もう、メチャクチャあこがれだった。いつかあれを弾きたい!って思ってた。

Y:原田さんの世代でもあまり弾く機会がなかった?

H:スタジオになんかなかったもん。もしくは、ホントに入り始めた頃かも。初めて弾いたのは「ニュー・イヤー・ロック・フェス」だったかもね。

Y:桑名さんのバンド?

H:そう。イヤ、違うかな?でもなんかのライブで、ステージにマーシャルが置いてあって、「アレ使いたい!」って。15歳の時だと思う。

Y:マーシャル関連で影響を受けたミュージシャンってどのあたり?LAメタルとか?

H:うん、そうだね。メタルは流行ってたね。それこそランディ・ローズとかさ。マイケル・シェンカーとか。マーシャルはデビューした後も買えなくて、ずっとあこがれの的だった。でも、あまり深い縁がなかったな。

Y:借りて弾いたりはしてたんでしょ?

H:そう。でも借りたヤツがみんなしっくり来なくてね。なんかやたらキンキンしてるイメージが付いちゃってあんまり使わなくなっちゃった。

Y:その頃ってJCM900のころ?イヤ、出てないか?

H:出てない出てない。2203か1959だね。

Y:それじゃ、本当にマーシャルを自分で買ったのはずっと後になってから?

H:だからアレが最初よ。MODEFOURが。

Y:ウソッ?!そうだったの?

Kenta1 H:イヤ、19歳くらいの時にはマーシャル使ってたこともあったな。パラダイス・ジャムの頃。改造してあったヤツだけど買ってはないと思うな。いいアンプだったんだけど、あれどこへ行っちゃったんだろう?

マーシャルを使う!

Y:それじゃ、本格的にマーシャルを使い出したのは2001年のZildjianのイベントでDSLを使ってから?

H:そう。あなたと知り合ってからだよ。透ちゃん(そうる透)のおかげだよ。

Y:180度変わっちゃったね。しかし、何でそんなにマーシャルが苦手だったんだろう?キンキンしているイメージだから?

H:欲しいローの帯域が無かったんだと思う。でも耳も変わってきてあのDSLがすごくしっくり行ったんだろうね。なんだかんだ言ってマーシャルって難しいと思うんだよね。音がまっすぐだから。プレイがまっすぐに出ちゃう。だからそれまでは扱い辛かったのかもね。

Y:上達したんだろうね~。

H:イヤイヤ。でも、まっすぐだけど、自分の望みの音を出してくれるということがわかってきたんだと思う。

Y:VintageModernとか?

H:大好き!ニュアンスが全部でてくれるから。

Y:すごくよく覚えてるのは、DSLがよかったのでもう一度試したいってスタジオへ来てくれたんだよね。そしてそこにはまだ入ってきた来たばっかりMODEFOURが置いてあって「何コレ?」って試したんだよね。5分も弾かないうちにMODEFOURに替わっちゃった。

Kenta7 H:そうそう!あれからレコーディングはほとんど全部MODEFOUR。最近はJVMが増えてきた。

Y:そうして耳や好みが変わってくる中で「あのマーシャルの音いいな~」なんてのある?

H:ポール・コゾフ。メチャクチャいい!

Y:あれはマーシャルじゃなくてもあの人の音になるんじゃない?

H:「ライブ」なんかたまらないね!

Y:アンディ・フレイザーのマーシャルの音もすごいよね。

H:それからツェッペリン。ん~あとはやっぱりリッチー・ブラックモアとかイングヴェイとか。あの辺の音は出ないよね~。

好きなセッティング

Y:原田さんの場合、武道館からクラブまでいろいろな場所でマーシャルを使ってくれているワケだけど、何かこだわっているセッティングとかある?

H:自分のアンプではBASSを絶対10にしてる。

Y:それは会場を問わずいつでも10?

H:だいたいそうだね。どこでも10。ほかのコントロールも10にしておいて徐々に削っていく。あとマーシャルはすごくいいハイが出るから、それを殺さないように楽器によってTREBLEを調節しているね。PRESENCEもいじるよ。高域を変えてギターや会場の状態に合わせるんだ。

Y:RESONANCEは?

H:使ってる。1時位まで上げてる。

Y:JVMでお気に入りのチャンネルは?

H:メインはCRUNCHのORANGE。クリーン系はCLEANのGREENとORANGEの両方。ソロの時はOD1のORANGEとOD2のGREENを使ってる。OD2のREDも使ってるかな?CLEANのORANGEなんかすごくいいよ!カッティングに最適なんだ。

Y:他のアンプのご経験もあらるる原田さんにお聞きしますが、音だけでなく、弾き心地に関してもマーシャルの特徴って何か感じますか?

Kenta6 H:レスポンスからダイナミックレンジからすべていいね。音ヌケとか。音の速さっていうのかな?ニュアンスもすごく出るし。

ライブとレコーディング

Y:マーシャルを使うときにレコーディングとステージのセッティングではっきり区別していることってある?

H:ボリュームだけかな。レコーディングではいくら出しても大丈夫だからね。でも上げすぎちゃうと音が詰まっちゃうんだ。それには注意してる。マイク乗りが悪くなっちゃうの。ライブより少し上げめにしてる感じ。それ以外は特に区別していることはないな。

Y:今後の活動は?

H:今年は自分のバンドをやっていこうかと思ってるんだ。トリオ・バンドとかソウルっぽいバンドとか。

Y:最後に一言お願いします。

H:あのね…マーシャルに囲まれているとしあわせ!

SYU(ガルネリウス)、マーシャルを語る

今や日本を代表するへヴィメタルバンド、ガルネリウスを率いるSyuも大のマーシャル・フリーク。彼のマーシャルへの想いをたっぷり収録したインタビューをお楽しみください。

マーシャルとの出会いはJCM900

YMT(以下Y):月並みな質問ですが、マーシャルとの出会いについて教えて下さい。

Syu氏(以下S):16、17歳の時、練習スタジオに置いてあったJCM900がはじめてのマーシャルです。何の迷いもなくプラグインしました。

Y:どうでした、はじめてのマーシャルは?

S:音づくりの方法もまったくわかりませんでしたが、そのパンチのある音に驚きました。バンドの仲間もウワァ~ってなって。

Y:生まれてはじめてのギターアンプってどんなものでした?

S:通販で買ったギターセットについていたヤツですね。4~5万円位で何でも付いているセットでした。

Y:天下のSyuさんもそんな頃があったんですねェ~。

Syu_iv_001 S:イヤイヤ(爆笑)その小さなアンプのボリュームを目一杯上げて歪ませて弾いていました。そのシャリシャリ感にすっかり慣れちゃって。だから、JCM900をはじめて弾いた時のあの真空管が出すパーンという迫力のある音に驚いたのを覚えています。

Y:その頃はどんな音楽を演っていたんですか?

S:メタルです。Xとか。当時、僕のまわりはX派とBoφwy派に分かれていましたが、両方演ってました。

Y:もうその頃からうまかった?

S:イエイエ、ま、バイオリンをやっていたので他の人たちよりは有利だったかも…。

Y:当時、「Marshall」に対する憧れみたいなものってありましたか?

S:もちろん!どの雑誌を見てもステージの上はみんなマーシャルだし。

Y:どちらかというと日本のアーティストからの影響が大きい?

S:そうですね。

Y:それで、はじめてのマーシャル、JCM900に突入したわけですね。

S:はい。もうその時からミッドレンジが好きで、当然ミドルはグイっと上げめ。トレブルもプレゼンスもグイグイ上げて、ひとりでバッチンバッチンいわせてました。ただ、あまりギターがいいものではないし、ギターとアンプの組み合わせのことなんかわからないし…でもひとりで「最高に気持ちいい」とよろこんでいました。当然、バンドの連中からは白い目で見られました。

プロ活動を始めて

Y:いつプロ活動を始めましたか?

Syu_roadshow S:22~23歳ですか。アニメタルからです。

Y:アンプは何を使っていました?

S:JCM2000のTSL100です。発表されてすぐ買ったんですよ。

Y:じゃ初めて自分で買ったマーシャルがTSL100。

S:はい、完全にTSLッコでしたから。

Y:でも、しばらくマーシャルから離れていた時期もあったよね。

S:TSLが壊れちゃって…。

Y:それでまたマーシャルに戻って来てくれたわけだけど、何か発見ってありましたか?

S:まず感じたのはとにかくパンチが効いてる。音の芯っていうのかな。きらびやかな高域。ミッドは立っているし。ノブの多さも魅力なんですよ。Tone Shift、Deepなんかのコントロールも充実してますでしょ。フットスイッチも好き。

Y:それじゃ、はじめてマーシャルJCM900を弾いたときの感動がまた…って感じ?

S:イヤ、その感動を完全に凌駕してましたね。病みつきになっちゃいました。

あこがれのマーシャル・サウンド

Y:この人のマーシャルの音っていいな…て思う人はいますか?

S:初期のイングヴェイ、ザック・ワイルド、島(紀史)さん。島さんの音づくり大好きです。リッチー・ブラックモア。

Y:アンプのコントロールについて教えて下さい。まず目立つのはいつもミドルが10ですね。なにかこだわりがあるんですか?

Syu_iv_004 S: はい。僕は「10から調整していく派」なんです。トレブルがよく出るのはわかっているからすちょっと抑え目にして、ローは上げ目で「体感ロー」を稼いでいます。あとは会場に応じてです。トレブル、ベースは特に。歪みの量も会場に合わせて調節しているんですよ。

Y:ところで、セッティングは?

S:もう基本はワウとチューナーです。

Y:基本的に歪み系のエフェクターはつながないんですね。

S:基本も何も、歪みは全部アンプにおまかせですよ。

Y:VintageModernを使うときはオーバードライブ系を使っていたよね?

S:はい、でもあのMid Boostの使い方を教わってからは無用です。

Y:何か「これがマーシャルだ!」って思い当たることはありますか?例えば「ピッキングした時にこう鳴るのがマーシャル」みたいな…。

S:「クリアな芯」ですね。例えばガツガツと早く刻んだ時でもひとつひとつの音がはっきり出てくる。つまり音に芯があるのがマーシャルだと思う。

Y:何か、古今東西のマーシャルで試してみたいモデルってありますか?

S:全部試したい!特にギターも同じにしてザック・ワイルドのセットを試してみたいな。

Y:彼の音はとてつもなく美しいもんね。

S:「美しい」としか言い表せないですよ!あれだけ歪んでいるのに!

Y:イングヴェイも美しい。

S:そうそう、美しい!

レコーディングとライブ

Y:今度のアルバム(One For All-All For one)はTSL?

S:はい2000です。

Y:レコーディングでもステージでもTSLを使ってきてもらったわけですが、それぞれのシチュエーションで気をつけていることというか、使い分けているようなことはありますか?

Syu_iv_002 S:はい、あります。たとえば、バッキングを録るときには歪みを抑えたセッティングにしたり、というのはあんまり歪ませすぎると全体像がボケる時があるんです。一方、ライブではチャンネルはひとつしか使わない。つまりアンプのセッティングは一切変えずに、ギターのボリュームで音を変えます。また、これができるのがマーシャルのいいところなんです!多チャンネルの意味があまりないかもしれませんが!(爆笑)これからは使い分けていきたいな。

Y:ピッキングのニュアンスとか、ダイナミック・レンジ、レスポンスなんかに関してはいかがですか?

S:使うギターによってものすごく左右されると思うんですよ。マーシャルってそのギターの特徴をどこまでも引き出してしまうでしょ?しかもいい方向に…。レスポンスはどんなギターを弾いた時でも早いと思います。特にいいギターだと木材の鳴りを強調してくれる。それとピックアップが合体した音が出てくるのを感じます。反対にピックアップの音しか出ないと感じるギターもありますよね?

Y:ダイナミックレンジについては?

S:素晴らしい!ピッキングのニュアンスだけで音色はガラリと変わる。あたかもギターのボリュームを操作してかのよう。色々なアンプを試してきましたけど、これは本当にスゴイことだと思う。

ニューアルバムとマーシャル

Y:ニューアルバム(One For All-All For one)でこのマーシャルの音を聞いてくれ!みたいな箇所はありますか?

S:そりゃもう全部ですよ!強いて言えば、8曲目の「The Flame」という曲では歪み抑えてクランチにして、かつギターのボリュームを下げてブルージーな感じに仕上げてみました。もちろんリードチャンネルを使っています。それから、ワウを踏んでマーシャルを弾く。これにハマリまくってます。恐ろしくワウとの相性がいいんです。気持ちいい!ぼくはデジタルがあまり好きではないんですよ。どこまでもアナロギー(?)でいたい。

Y:他に何かマーシャルに関するコメントはありますか?

S:とにかくマーシャルっていうのは、ぼくの感覚ではすべての歪み系ギターアンプの元になっていると思っています。これからもずっとずっと弾き続けていきたいな!

尾藤大介(Rockamenco)のAS

フラメンコとロックの融合を実現したユニークなバンド、Rockamencoのフラメンコ・ギタリストの尾藤氏はAS100Dを愛用。ダイナミック・レンジの広さやレスポンスのよさを必要とするフラメンコ・スタイルにもAS100Dがピッタリだ。「音の立ち上がりがものすごく早いですね!指のニュアンスも殺さずそのまま出してくれるんですよ。アコースティックなサウンドも文句ありません。ロッカメンコ・サウンドになくてはならない存在です」

Bitoh_as100d

2008年4月22日 (火)

土方隆行、マーシャルを語る

日本にはテレビやラジオから土方隆行のギターの音が聞こえてこない日はありません…。マーシャルの音です。日本を代表する名ギタリストへのインタビューをお楽しみください。

マーシャルとの長いつきあい

YMT(以下Y):マーシャルとの出会いは?失礼ですけど…一体何年前の話しになるんでしょうかッ?

土方隆行氏(以下H):え~と、中学2年生の頃ですから…、30…35、36年前ですかね?

Y:マーシャルは今年で45歳なんですよ。もうほとんどマーシャルの歴史とともに過ごされていますね?

Hijikata_iv_02 H:1969年くらいかな?クリームでマーシャルを知りました。クラプトンとジャック・ブルース。

Y:それでははじめてお使いになられたのは?

H:最初に買ったのが多分18歳のころ。やっぱり30数年前ですね。

Y:いきなり「買い」ですね?それは今の若い方々と完全に状況が違いますよね。今は「最初のマーシャルはスタジオ」は当たり前です。我々が(インタビュアーも土方氏とほぼ同世代)若い頃にはマーシャルの匂いさえ嗅ぐことができなかった。

H:あの頃スタジオにマーシャルがあったら大変でしたよね!今は普通ですもんね。それまで国産のギターアンプを使っていたんですが、マーシャルは最初から3段積みでした。UNIT3と呼ばれていたヤツ。値段がガクっと下がったときに買ったんです。

Y:1974年の1959?うれしかった?

H:もちろん。最高にうれしかったですね。部屋において、朝起きるとそこにある!それだけでうれしかった。でも実際使う段になると…。買ったはいいけど、一体どうしようかと思いました。

Y:歪まないし、ハイは恐ろしく強いし…。

H:音が大きくて全く家じゃ使えませんでしたもんね。一度、キャビを部屋の壁に向けて、その間に布団をパンパンにつめてミュートしてボリュームを上げて弾いてみたことがありました。

Y:どうなりました?

H:家全体が揺れました!(爆笑) 結局、最初のマーシャルは使いこなせないままに手放してしまいました。

Y:アソカの頃の話しですか?

H:イヤ、その前の話しで、ジェフ・ベックのコピーバンドをやっていました。「ラフ・アンド・レディ」の中の曲とか…。でも実はリッチー(ブラックモア)が大好きでマーシャルはリッチーの影響が強かった。

Y:多いですね~、リッチーの影響を受けた人って。

H:てっきりああいう音が出ると思ったんですよ。ところが実際にストラトをハイのチャンネルにインプットして弾いたら…鼓膜が破れるかと思った!全然歪んでくれないし…もう本当にどうしようかと思っちゃった!

Y:それじゃ、本当に全然使わなかった?

H:イエ、ライブでは何回も使いましたよ。

Y:ディストーション・ペダルで歪ませて?

H:イエイエ、そんな上等なものはなくてファズとかサスティナーとかでした。そのバンドはベースの人も3段積みを買って、ドラムはツーバス。もうルックスだけはものすごかった。ボリュームを1より上げた記憶はないですね!

Y:リンクなんかはしなかったんですか?

H:そんな高等テクニックはもっと後になって知りました。手放してから「そうか、そんな手があったのか!」って。今思えば持っておけばよかったと後悔しています。

マーシャル歴

Y:土方さんといえば日本を代表する売れっ子ギタリストで輝かしいキャリアを誇っていらっしゃいますよね。様々なお仕事をされているわけですが、その後のマーシャル歴はどう変遷されたんですか?

Hijikata_iv_01 H:実は、その後マーシャルを離れたんです。仕事上持ち運びの関係もあってもっと小さいコンボを使っていました。ASOKAの頃です。でもいつでもマーシャルは持っていたかった。

Y:でも手放しちゃった。

H:ウン。ASOKAが終わってマライアになった頃、偶然健ちゃん(北島健二氏)と同じ事務所に所属したんです。そしたら健ちゃんが今も使っている2203を買うので、その時使っていた古い2203を買わないかって。それを買い受けました。その2203は今でも使っています。

Y:あれ元々は北島さんのものだったんですか?

H:いいアンプですよ~!

Y:その後のマーシャルは?

H:だから、ずっとその2203ですよ。その後はご存知の通りのTSL60です。

Y:メチャクチャ跳んでますね!

H:だってあの2203はものすごく気に入っているんですもの。

Y:そして2061X。

H:大好き!

Y:今度はVintageModern。

H:やっぱりマーシャルですよ!

マーシャルの魅力

Y:これも月並みな質問で、土方さんの場合はじめから答えがわかっちゃいそうですが、好きなマーシャルの音といえば…?

H:リッチーでしょ…でも、最初は何といってもクリームのクラプトンなんですよ。「クロスロード」でやられました。アルバムでは「グッバイ・クリーム」。クリームってライブアルバムが結構出ていてそれぞれギターの音が違いますよね。最初に聴いたせいか、「グッバイ・クリーム」のマーシャルの音が一番好きです。「トップ・オブ・ザ・ワールド」とか「政治家」とか。

Y:まわりはどんな状況だったんですか?

H:クリームは中学の時のロック友達から教わって聴き出したんですけど、その頃、あちこちでロック・フェスティバルなるものが盛んに行われるようになったんです。フラワー・トラベリン・バンドなんかが出て…。そこにミッキー・カーチスとサムライというバンドが出たんです。エディ藩さんの他、バックのミュージシャンはイギリス人で、そのサムライの出番になったらステージのそでからいきなりマーシャルの壁が出現したんです。ギターの人、名前は忘れましたがファイヤーバードを使ってて音はもちろんあのマーシャルの音。あれが一番最初に見た生のマーシャルだったのかな。外タレなんかまだあまり来なくてね。

Y:それでは外タレのご経験といえば?

H:はじめて見たのがレッド・ツェッペリンでした。1回目も2回目も行った。特に1回目の時はすごかった!その後はディープ・パープルにはまりました。あのリッチーの音に!

Y:ご覧になったんでしたっけ?

H:イエ、行ってないんです!友達はみんな行ったんですけど、ぼくはその時ちょうどお金がなくて…。

Y:でもBBAはいらっしゃったんですよね?

H:あれも凄かった!後はもうジミヘン。でも本当にジミヘンのよさがわかったのは最近かも。

Y:最近、土方さんジミヘンの話題多いですもんね。

Hijikata_iv_03 H:やっぱり影響力は大きいですよ。

Y:マイルス・デイビスと演れればよかったのにネェ!

H:ネェ~!

Y:でも、「ジャック・ジョンソン」でガマンしときますか?

H:マクラフリンもマハビシュヌの頃はマーシャルじゃないですか!

Y:アル・ディ=メオラも…。

一流スタジオ・ミュージシャンのセッティング

Y:マーシャルを使う時に土方さんおきまりのセッティングというものはありますか?

H:マーシャルの場合、同じセッティングでもモデルによってミドルの出方が違いますよね?求めている音は共通だと思うんですけど、そこに到達するまでの過程がモデルによって違ってきますね。

Y:ミドルですか…今回のVintageModernはおいしいミドルのためのアンプですから土方さんのサウンドメイキングが楽しみですね。

H:そう!ほんとにこのミドルはスゴイ!2203なんかだと少しミドルを出すのにコツが要るけど、VintageModern は即いけますもんね!

Y:キャビネットの影響もありますからね。特にVintageModernのキャビネット425はミドルを絵に描いたような音をだしますから…。

H:まさにそうだね!キャビネットが音に及ぼす影響ってホントに大きいよね。

Y:その他何かセッティングの極意なんてありますか?例えば、ボリューム以外ゼロからドンドン上げて調節していくとか、またはその反対とか…。

H:基本的には欲しい音域を足していくよりも、いらないところを削っていく方法のほうが音はつくりやすいかもしれない。僕の場合、足していく方法はどうしても全部のコントロールが上げ気味になっちゃうんです。音量も大きめになってしまう。

Y:料理をするとき調味料を調整していて量が多くなっちゃうみたいなもんですな?

H:そうそう!あるいは全部真ん中にしておいて調節いくとかね。VintageModern の場合はBodyとDetailでほとんど決めちゃう方法がおすすめだね。だから、2203もそうだけど、マスターとゲインがあるモデルは、ま、トーンは後から調節するとして、まずゲインとボリュームでベーシックな音を作っちゃう。ゲインを高めにすればミドルが出てくるしね。

あこがれのマーシャル

Y:古今東西、あの人のマーシャルで音を出してみたい!なんて人はいますか?

H:クリーム時代のクラプトンのマーシャル。ファーストアルバムのヴァン・ヘイレンのセットは是非弾いてみたい!同じ音は出ないだろうな~。

Y:ブラウン・サウンド!

H:最近のエディの音は「プリで歪ませています」という感じだけど、あの頃はアンプ全体が燃え上がっていたって感じがします。

Y:ヴァン・ヘイレンが出てきた時は衝撃を受けましたか?もうその頃はプロでしたか…?

H:うん、プロだったかもしれない。ある楽器屋さんで初めて聞いたのを覚えてる。「これ誰ッ?!」って店員さんに訊いた。

Y:モデルとしては?

H:やっぱりオリジナルのJTM45!

マーシャルはロックの音

Y:最近は吉田拓郎さんでは2203、吉田美奈子さんでは2061Xと色々なマーシャルをお使いいただいておりますが、キッチリ使い分けていらっしゃるんですか?

H:もちろん。音楽のタイプに合わせて当然使い分けていますが、基本は僕の根底にある「ロック」のサウンドを大切にしています。ホントにイザというときに完璧なロック・テイストを出してくれるんですよ、マーシャルは。

Y:他にもいわゆる「ロック・テイスト」のアンプがありますが、一体マーシャルは何が違うんでしょうか?

H:ウ~ン、なんだろうな…。すごく抽象的なんですけど、すごく「ロック」の音なんですよ。ロック度が高い。僕の体の中にあの音が入りきっているんですね。

Y:お付き合いをしていて気がつくのは、土方さんは「あの真空管がどうだ」とか「こっちのスピーカーに変えるとどうなるか」とかほとんど…イヤ、絶対におっしゃらないでそのままお使いになりますよね?

H:そうですね。一時期ケーブルなんかに凝ったこともありましたが、考えてみるとジミヘンなんてあのカールコードであの音でしょ?そりゃいいに越したことはないけど、あんまりその辺に固執すると大事な部分を見失ってしまうような気がして…。それにマーシャルだって一番いい状態の設計にしているはずだし。仮に粗悪なケーブルしかない現場に出くわしたとしてもアンプの調整でどうにでもなるし。

Y:根っから現場の人なんですね~。30年のキャリア。はじめてのギャラは覚えていらっしゃいます?

H:夜の仕事でした。事務所に入ってお給料をいただいたのはフライング・ミミ・バンドのときです。30年前。

Y:その後はスタジオ生活?

H:あの頃世の中ディスコブームってのがありましてね。何でもディスコ・ビートに乗っけちゃう。ずいぶんレコーディングやらせていただきました。そして、その時のおかげで譜面にも強くなりました。

レコーディングとライブ

Y:レコーディングでもステージでもマーシャルをお使いいだいているわけですが、それぞれのシチュエーションで気をつけていることというか、使い分けているようなことはありますか?

Hijikata_iv_04 H:音量のことで言えば、レコーディングの場合はもう好きな音量で弾くことができるわけです。爆音でもOK。もろにマーシャルのすごさを発揮することができる反面、その音をマイクで拾わなければならない。ここでいかにそのマーシャルのすごさをマイクに拾わせるかが滅法むずかしい。エンジニアさんとのコミュニケーションが大切ですね。鳴っている音と録られている音とのギャップを埋めるのが大仕事。ま、とはいってもこっちでいい音を作っていればすんなりいくことが多いです。

Y:仕上がってみて、「アレ、ギターこんな音じゃないんだけど…」なんていうことはあります?

H:昔はよくありました。エンジニアの方が僕らより世代が上でマーシャルの音をご存じなかったんです。今はもう素晴らしい。皆さんよくマーシャルをご存知ですから何をするにもスムースです。

Y:一方、ライブはメンバー間の音量問題がありますよね?

H:そう。ライブはむずかしい。生一本のロックバンドでガァーっていくのは問題ないんですが、歌手のバックだとバラードからアップテンポまで色んなタイプの曲を演らなきゃならない。その辺の音量の調整が難しいんです。音量を抑えて音をショボくするのはイヤだし。抑えてもホットな音を保つようにしたい。だからマーシャルは使いやすいんですね。

Y:吉田美奈子さんのバックを務めるなんて楽器を演る人間にとっては最高の栄誉で、ステイタスの高い仕事だと思うんですが見ていてドキドキしてくる。耳の良さそうな方ですし、音量のバランスとか厳しいんだろうな~って。

H:そうですね。でも本当にやりがいのある楽しい仕事です。

Y:マーシャルを使ったレコーディングで気にいっているお仕事は?

H:マライア、ナスカ、すごく気に入っています。それからソロアルバムの「フル・ムーン」。あれはほとんどTSL60で録りました。あとアレ…。

Y:アレ?トニー木庭さん? H:そう!あれもお気に入りです。(註:土方さんはトニー木庭さんのソロ・アルバム「Rough & Smooth(Better Days YF-7025-N(BD))」で吉田健さん、清水信之さんとともにレイ・ゴメスの超絶曲「Westside Boogie」を演奏しています。この曲は他にも故Shawn Laneが凄まじいカバーを残しています)

気合を入れて弾く

Y:若いみなさんにアドバイスを頂戴できますか?

H:あのね、いつもマーシャルを弾くときには気合を入れるんですよ。気合を入れると音がよくなるんです。他のアンプはこれがないんですよね。やっぱり特別な思い入れがあるんでしょう。思い出を背負っちゃうみたいな。いい音で弾いてあげたくなるんです。若い方々にはわからないかもね。マーシャルとちゃんと向き合ってもらえるとうれしいな。だから、ちょっと弾いて気に入らなくても「あ、ダメだ」なんて思ってもらいたくない。すぐに結論を出してもらいたくないですね。マーシャルなら結論を出すのはとことん使ってみてからでも遅くない。

加納秀人の1959

「イモバン」、「ジャスト」、「拾得」、「イン・ザ・ヒート」といった日本のロックを完全に代表する名盤、そして最近の「Live inクロコダイル」…すべての名盤・名演で使用されてきたのがこのマーシャル。1971年製の1959のフル・スタック。最初に日本に入ってきた数台の中から一番音のよかったものを選んだ。このマーシャルが野音であの「香り」を奏でたのかと思うと…。

Hideto_crocodile_2

Hideto_stacks

マーシャルがハンドワイアードからPCB基板構造に変わっていったのが1970年前後といわれているが氏の1959はハンドワイアードのようだ。氏曰く「開けてみて中があんまり簡単なので驚いたことがある」。だから音が良いのだ!信じられないくらいラウド。

Hideto_head

加納氏はマーシャルを歪ませず(というか歪まない!)、ギターの間に歪み系ペダルやディレイを接続して使用している。原始的とはいえまさにVintage系モデルのお手本的な使用法。そして、サウンドは極上!

Hideto_cablabel

当時のキャビネットのインプットは本体下部に搭載されており写真のようなアルミのラベルが貼られていた。

2008年4月21日 (月)

ノエル本多(Band of Shigeo Rollover)の1978

バンド・オブ・シゲオ・ロールオーバーのベーシスト。本家ノエル・レディングが使ったかどうかは不明だが、この1973年製1978(200W MAJOR)のサウンドは素晴らしい! ローディ泣かせの4×15”キャビネット1979のおかげもあろうが、どこまでも野太いベースらしいサウンドからブリブリブリブリブリブリブリ・サウンドまでとにかく気持ちのよい音!(渋谷O-WESTにて撮影)

Noel_1978live

さすがに4×15”キャビネットの三段積みはデカイのなんの!

Noel_1978full

Noel_1978back

Noel_1978

中野重夫(Band of Shigeo Rollover)のSUPER100JH

ジミ・ヘンドリックスのサウンドを追求し続ける中野氏。当然、長年色々なマーシャルを試してきたが、ジミ・ヘンドリックス・シグネイチャーSUPER100JHが発表された途端、即ゲット。はじめはVintageシリーズとのあまりの音の違いに驚いたが、今は使い方を完全に把握。2台のSUPER100JHをY字ケーブルを使ってパラレルに使用し、会場の規模に応じて鳴らすキャビネットを選択しています。

Shigeo_super100jhx2

Shigeo_fullx2 

セッティングは左右ともほぼ同じ。プレゼンスは7、ベースはゼロ。1959の時となんという違い!これだけボリュームを上げてもかなり上品な歪み。少しギターのボリュームを下げてやれば鈴を鳴らすような美しいクリーン。一方、ギターのボリュームをフルテンにして歪み系ペダルをオン、シングルコイル・ギターのPUをフロントにして後は気合を入れてベンド…ウワァ、ジミヘンだ!(渋谷O-WESTにて撮影)

Shigeo_head_panel

石原"Shara"慎一郎のTSL

アースシェイカーの分厚いギター・サウンドを演出しているヘッドはJCM2000 TSL100だ。

空間系のエフェクターはセンド・リターンを使用している。(JAPAN HEAVY METAL FANTASY2008 中野サンプラザにて撮影)

Shara_tsl100

キャビネットは色々と試した結果、MF400をチョイス。低域が豊かなMODEFOURキャビネットの利点をフルに生かしたサウンド。その「分厚さ」がSHARA氏のサウンドなのだ。やはりキャビネットはサウンドづくりの要なんですね。

過酷なツアーに耐えられるようフライトケースに収納してくれている。CDでも聴くことができるあの重力式ダムのようなマッシブなサウンドをクリエイトするSHARA氏の強力な武器となっている。

Shara_cabfront

背面はインプット・プレートの部分が開口できるようになっている。

Shara_cabback

LEADチャンネルしか使わないのがSHARA流のTSLの使い方の最大の特徴。アースシェイカーのバラエティに富んだレパートリーにはクリーン系のアルペジオを必要とする曲もあるが、そんな時でもLEADチャンネルを使う。ギターのボリュームを落としてクリーン・サウンドに変えているのだ。これはマーシャルの特長のひとつで、TSLに限らず、VintageModernは言うに及ばずJVMのODチャンネルでも同様の操作が可能。この場合のクリーン・サウンドはCLEANチャンネルの澄み切ったサウンドとは異なり、ほんの気持ちクランチががった太いクリーンとなる。これもマーシャル・サウンドの魅力なのだ。

Shara_tslpanel

島紀史、マーシャルを語る

島紀史のステージで連想するものといえばマーシャル・フルスタック。島氏のマーシャルへの思い入れは人一倍強い。そして、リッチー・ブラックモアへの愛情…。その辺りをじっくり訊いてみました。情熱のロング・インタビューをお楽しみください!

マーシャルとの出会い
YMT(以下Y):それではまず、見たり、聞いたり、弾いたり、いつごろ、どこで?マーシャルとの出会いについてお聞かせください。
島紀史氏(以下S):イヤ「見たり」はもう自分のあこがれのギタリストが全員マーシャル(島さんは英語圏の人同様、マーシャルの「マ」にアクセントをつけて発音されます。)
だったから。15歳位の時かな。アマチュアバンドでライブハウスに出るようになった時に大きなアンプが必要になったんです。ヘビィメタルを演るのにコンボっていうわけにはいきませんよね?もう自然とマーシャルでした。
最初はJCM800時代の1959でした。先輩から譲ってもらいました。Aキャビといっしょに2段積みで。分割払いでね。帳面につけられて管理されました。「毎月キチンと払えよ」って。15~16万円位だったかな?
とにかく憧れのギタリストが全員マーシャルでしたから迷いはなかったですね。
Y:その前にも色々アンプは試された?
Shima_iv_001 S:そりゃ、小さいやつは色々と。でも大きいのはもういきなりマーシャルでした。他にも、ま、持っていたアンプもありましたが、やっぱりハードロック系ですから自然とマーシャルですね。
Y:マーシャルに誘導したギタリストの一番がリッチー・ブラックモア?
S:リッチー・ブラックモア。いっぱいいるんです。リッチーはもう別格です。で、まぁイングヴェイ、そしてウリ・ロート、で~ゲイリー・ムーア。リッチーを筆頭にこの4人の影響が大きいから当然マーシャルに行きつきます。全員マーシャルでしょ?だから、やっぱり自分の好きなギタリストがみんな使っていたからマーシャルになりますよね。
Y:今の若い人たちは、そういう「憧れの人が使っているから」という理由でなくしてマーシャルを選ぶこともあるようです。
S:でも僕の場合も中学生のときにスタジオに行ったらマーシャルがありましたもんね。僕の場合はそれで余計マーシャル度が高くなりましたけどね。でもやっぱり自分が好きな人たちへの尊敬と畏敬の念はずっと持ちつづけていたい。マーシャル以外のアンプを使っていたこともありましたけど、それも好きなギタリストがそのアンプを使っていたからですもんね。コンチェルト・ムーンがデビューして最初の2年位の間かな。
Y:どうしてその後またマーシャルに戻ったんですか?
S:そのアンプにはマーシャルを使うことによって得られる満足感みたいなものがなかったんです。背中に風圧を感じる爆音であったり、コントロールがシンプルであるがための奥深さであったり、そういう満足感は僕のギタリスト人生ではマーシャル以外には得られなかったんです。

マーシャル歴
Y:先輩から譲っていただいたJCM800の1959以降はどうなったんですか?
S:73年製位のピンスイッチの1959を入手しました。それは改造されていてマスターボリュームがついていました。そして、コンチェルト・ムーンのファーストの頃まではその1959を使っていました。97年のそのインディーズのアルバムを発表する位まではその改造された1959を使っていたんです。その後、さっきのマーシャル以外のアンプを買うために手放しました。結局、2000年にダブル・ディーラーのプロジェクトを立ち上げる時に、自分の中で「マーシャルじゃなきゃダメだな」って思ってトレモロつきのまた73年製位の1959を手に入れたんです。と、88年製位の最初の4インプットのリイシューを入手しました。
Y:1959Sですね?
S:後でわかったんですが、トレモロの方はどうも50Wだったんです。(註:1987のトレモロつきは1975年まで製造されていた)どうも音が小さいな~って思ってたら50Wだった。これが最初の50Wマーシャル体験でした。
それからまた100Wを入手しました。このアルミパネルの1959です。プレキシではないので70年代初頭ですよね?
他にも50Wの音のニュアンスが欲しくて2台位入手しました。100Wも何台か買いました。その内残っている1台がこれ(上掲)なんです。だからこうして見てみるとビンテージばっかりでしたね。
Y:島さんといえばそういうビンテージのイメージは確かにありますね。
S:憧れた人たちが使っていたアンプのルックスっていうのもありますからね。ビンテージ特有の。
Y:その後はもうずっとこれ(上掲)なんですか?
S:そう。ずっと使っています。ナンダカンダで6台位買いましたかね。今のこの2台は案外トラブルと無縁でしてね。マーシャルはホント圧倒的に丈夫。でもさすがにガタが来はじめたかな。
Y:日本国中回って酷使されてますからネェ。
S:でもとにかく「マーシャルは丈夫」っていう印象が強いな。

あこがれのマーシャル・サウンド
Y:それでは、島さんが「こういう音を出したい!」というあこがれのサウンドというと?理想の音みたいなものはあります?
S:もちろんありますよ!2期ディープ・パープルのリッチー・ブラックモアの音!リッチーはマーシャル以外のアンプもあの辺りで使っていたようですが、「ライブ・イン・ジャパン」の音を参照すればあの音はもう200WのMajorですよね。レインボー期もそうですが、リッチーの音は成し得ていないんです。イングヴェイだったらアルカトラズ時代の音なんかは理想ですね。後はウリ・ロートのエレクトリック・サンのアルバムの音。スコーピオンズの時はルドルフ(シェンカー)と合わさってひとつの音という感じでしたが、「アースクエイク」や「ファイヤー・ウインド」のようにストラトキャスターと古いマーシャルの組み合わせによるあの音も理想の音ですね。
Y:ウリ・ロートの場合、彼の歌の好き嫌いがハッキリわかれるようですね?
S:もうウリなら何でも許せます。「あばたもえくぼ」か「恋は盲目」(爆笑)?
Y:それではもし、プロ・ギタリストには失礼な質問かもしれませんが、島さんのお好みを音を出してくれる神様がいたとして、自由にその音を出せることになったら、ギタリストとしてコンチェルト・ムーンはもちろん、人前でその音で弾いちゃうんですか?
S:やりたいけど…もうそれらをミックスした音というものが自分の中で出来上がっているから、例えばリッチー・ブラックモアのあの「ライブ・イン・ジャパン」のトーンのニュアンスでイングヴェイ・マルムスティーンくらい歪んでいて…ブラックモアよりイングヴェイの方が歪んでいるからね…ウリ・ロート的な「音の張り」みたいなもの、更にゲイリー・ムーアがストラトをマーシャルに突っ込んだときの荒々しさ等をすべて合わせて自分が演る「ヘヴィ・メタルに向く音」と言う風に考えるから、そのままの音では自分の音楽に向かないと思う。

悪魔に魂を売ってでも出したい音!
S:でもね、でも、あの「ライブ・イン・ジャパン」のあのリッチーの音が得られるなら…(間)…おShima_iv_002 金がいくらかかろうが、悪魔に魂を売れと命じられようが、何としてでも手に入れたいですね。
Y:それはそれでコンチェルト・ムーン用の音とは別に取っておくわけ?
S:(笑顔で)うん!
Y:そんなに好き?!
S:(笑顔で)うん!あの音と引き換えにおまえの命をいただこうと言われても、一瞬でもあの音が出せれば命捨てます。…ぐらいには思いますよね。
Y:ヘェ~。家に帰ってCDもう一回聴き直しますわ!
S:ガハハハハ!あの「ライブ・イン・ジャパン」は後から音質をいじったりしていますので、「完全版」なんかの生のリッチーの音を聞くともっと凄いですよ。
Y:ま、島紀史=リッチーなのはよ~くわかりますが、それから離れるとどうなりますか?例えばジェフ・ベックだとか…。いい音だな~って思うのは?
S:ヘンドリックス!
Y:CDで言うと?
S:「アクシス:ボールド・アズ・ラブ」。あと、「リトル・ミス・ラバー」って曲あるでしょ?あの音大好き。ジェフ・ベックはBBA時代と「ラフ・アンド・レディ」のころ。
Y:あとは?
S:一連のレッド・ツェッペリンの音も好きだし、最近ではザック・ワイルドの音がすごく好き。
Y:ザックの音はホントに美しい。
S:うん、僕のファンの方々はあんまりザックのイメージが僕にはないみたいだけど、大好きです。ガッツのある音でしょ?最近のギタリストの中では格段に上ですね。ザックはちっとも最近じゃないかッ?!(笑)
Y:そんなに好き?
S:実はね。にわかには信じてもらえないくらい好きなんです、ザック。ザック好きさに苦手なオジーものにも手を出します。意外ってよく言われます。男らしいものが好きなんですね。割合ナヨってなっていて好きなのはウリ・ロートくらい。
Y:住む世界が違う感じですもんね?実際に会って話すとなんかこうユラ~としたオーラを感じます。
S:絶対に霞食ってますよ!

島紀史のセッティング
Y:島さんの1959人生の中で得たレギュラーのセッティングみたいなものはありますか?
S:プレゼンスが1時、ベースはゼロ、ミドルが10時、トレブルが3時、ボリューム1がフル近く。リンクはしない。
Y:ベースはゼロ?
S:会場がデッドだったりすると確実にゼロ。低域が逃げるような会場は…上げても9時くらい。
Y:エフェクターは?
S:ワウとオーバードライブくらい。
Y:オーバードライブは入れっぱなし?
S:そう。レベルは10にするけど、オーバードライブはほとんど切ってますね。八時くらい。
Y:ようするにアタッチメント(笑)で歪ませてるワケではない?(註:最近「アタッチメント」という言葉をほとんど聞かなくなっているため笑っています)
S:そう、アタッチメント(笑)じゃない。
Y:でもそれだとスッカスカな音になりそうですけどね?
S:ま、1959を大音量で鳴らすと箱鳴りのローが出ますからね。あのスピーカーが悲鳴を上げるガッツのあるローは最高ですからね。

キャビネットについて
Y:島さん、このホームページはアンプばかりじゃなく、キャビネットにも重点を置いているんですよ。キャビの遍歴はいかが?
S:最初にJCM800時代の1960Aを持ってて、15歳の時です…僕のこのキャビ遍歴がまた面白くない!(笑)三段積みにしたくて18歳の時にBキャビを買い足したんです。その時のBキャビを今だに使っています。あ、もちろんスピーカーは入れ換えていますよ!
Y:スピーカーが飛んじゃったんですか?
S:イヤ、使いすぎてヘコヘコになっちゃったんです。その時楽器屋でアルバイトしてて色んなスピーカーを試したんです。それで一番ビタってきたのがセレッションのVintage30。
それ以来Vintage30ばっかりです。それで、その最初に買ったAキャビは…今でもそのBキャビの上に乗ってます!ダミーですから中はスカスカです。
Y:それじゃ1回もキャビネットは買い換えていないんですか?
S:うん。だからボッロボロ。自分でビンテージにしたみたいなルックス。とにかく自分のイメージする音を出してくれるのが1960とVintage30の組み合わせって完全に決まってしまっていますね。
Y:信頼できるってワケですね?
S:色々試したんですよ、G12T-75とかも。でも少し余裕がありすぎたりして。

弾いてみたいマーシャル
Y:新旧を問わず弾いてみたいマーシャルって何かありますか?
S:古いのだったら、あの1号機みたいなヤツ。
Y:一番最初のJTM45?
Shima_iv_003 S:うん。
Y:いわゆるオフセット?マーシャルが最初1965年にあのモデルを売り出すときに23台の予約が入ったんですが、予約リストの中にリッチーの名前が入っていたんですって。実はピート・タウンゼンドだけでなく、リッチーもマーシャルの開発には結構協力したらしい。
S:ヘェ~。そんな話を聞いたらなおさら弾きたい!あとメジャーですね、200W(モデル名1967、1967~1974年に製造されていた)。自分でも持っていたことはあったんですけど…。あと、ザックのシグネイチャー(2203ZW)も弾きたかったナァ。

●コンチェルト・ムーンの再開
Y:ダブル・ディーラーの活動に終止符を打たれて、心機一転コンチェルト・ムーンの活動に集中されて行くわけですが、何かその活動の中でマーシャルの位置づけというものはいかがでしょう?
S:ま、マーシャル以外のアンプで大きな音を出すということは絶対にないでしょうね。イヤ、今後の人生においてもマーシャル以外あり得ないかな。ただ、信頼度とか、最近の新商品の動向とかも考えると、お世辞やおべんちゃらじゃくなくてますます重要になっていますね。はっきりいってライブもレコーディングもVintageModernに変えようかと思っています。
今までクリニックや自分の機材が持ち込めない場合、アンプは必ずマーシャルを指定してきました。アンプ「Marshall」って書いてあれば、JCM900でも2000でも自分の音を作ることができるし、信頼度は何者にも代えがたい。コンチェルト・ムーンは来年結成10周年をむかえてメタル度もますますアップしています。より一層マーシャルでないとダメです。

レコーディングとステージ
Y:レコーディングでもステージでもマーシャルをお使いいだいているわけですが、それぞれのシチュエーションで気をつけていることというか、使い分けているようなことはありますか?使い方のコツとか。
S:やっぱりレコーディングの時はマイクで録られて、それなりにコンプレッションもかけられた音になるでしょ?だからステージで背中に音の風を感じて弾いている時と全然違います。たとえ同じセッティングにしてもね。なので、レコーディングの時は更にゲインを下げます。だからさっきお話したオーバードライブなんかは完全に切ります。音を小さくするという意味ではありませんよ。ゲインを下げた音にコンプレッションなんかをかけた音が返ってくるわけです。その音のニュアンスがステージの音と近いかどうかにこだわります。ボリュームは落とせないんです。そこでゲインを落とすんですね。それから、さっきベースはゼロと言いましたが、レコーディングの時は10時くらいまで上げます。
Y:なるほど。
S:ステージで感じるあのゴンと押してくるようなニュアンスはマイクは絶対に拾えないんです。だから、ベースを上げてやるんです。その違いは気をつけてます。
Y:それでもプレイバックを聞いて音がイメージ通りでないと後から加工したりするんですか?
S:僕は極力しないようにしています。録るときよりもミックスする時にEQ処理をすることはあります。とにかく背中で鳴っているマーシャルの音を再現することの試行錯誤には時間を費やしますね。

カッコいいリフはマーシャルから!
Y:島さんの感じるマーシャルの魅力を一口で語るとなると…。
Shima_iv_004 S:最大の魅力はガッツのあるこもらないローですね。あの6弦をミュートして弾くゴンゴンと弾いたニュアンスはマーシャルじゃないと出ないんです。そのガッツ感。パンチ力。僕がヘビィメタルをプレイしていて一番重要なのはそこなんです。
Y:あ、だからディープ・パープルにしてもレッド・ツェッペリンにして低音弦を使ったカッコいいリフ曲ができたのかな?
S:そう!カッコいいリフづくりにマーシャルは一役も二役も買っていますよ、間違いなく。
Y:そういわれてみるとフーにしてもキンクスにしてもコードでリフ曲をつくるバンドはマーシャルを使っていない…。(キンクスのレイ・デイビスは後年マーシャルを使っているようですが)
S:違うアンプでそれをやるとパンチがなくてぼやけちゃうんです。ボトムがすごく出ているのにぼやけちゃうんですよね。マーシャルはガッツ。ベースをゼロにしておかないとパンチが出すぎちゃう時があるんですよ。ストラトでもそう感じます。そして、明らかにピッキングのニュアンスを客席に届けてくれるハイがあるんです。何kの周波数帯とはわからないですけど、せっかく何年も練習してきたピッキングのニュアンスを完璧に再現してくれるのがマーシャルなんですよね。…ということは逆に使うのも難しいといえますね。ごまかしが効かないもん。そして、偉大な先達を見てください。リッチー、イングヴェイ、全員ピッキングのニュアンスがメチャクチャ豊かでしょ?それを再生する能力がズバ抜けているんですよ、マーシャルは!そこだ!
オッ、今ええこと言うた!何も考えてなかったのに!(爆笑)

VintageModernの魅力
Y:最近島さんはギター・クリニック等ではVintageModernを使用していただいていますが、あのアンプのどこが島さんにアピールしているんですか?
S:もちろん、名前の通りですよ!ビンテージ・マーシャルを長年使ってきた人間にとってこれほど違和感のない新商品はまずないと言っていいでしょう。ビンテージ・マーシャルはボリュームのコントロールがむずかしかったり、ご機嫌斜めになったり…どうしても古いからね…そんなことがVintageModernにはありませんからね!モダンという要素で言えばBodyとDetailのPre Ampの部分。ビンテージものでリンクしてもああはいかない。うまくミックスできても今度はボリュームが調節できませんもんね。特にクリニックでは音量の自由がきかないことが多いわけですから、ボリュームを下げても出したいニュアンスを出してくれる…この部分は最高です。クリーンが欲しければギターのボリュームを下げて上げればいいだけだし。つまみは200ケもついてないし(笑)。僕はそんなにツマミは要らないと思ってる。JVMだってツマミが多そうに見えるけどただ各チャンネルのコントロールが独立しているだけで全然シンプルですもんね。まったくもってわかりやすい。
Y:それではステージで使ったとしたらどうでしょうか?
S:そりゃ、そのままマスターボリュームを上げてあげればいいだけ。

シンプルにしてディープ
Y:それでは最後に読者の皆さんにマーシャルに関するひとこと頂戴できますか?
S:たまたま僕はヘビィメタルを演っていますが、フュージョンであれ、ブルースであれ、はたまたジャズであれ、アンプに関して言えばマーシャルで解決すると思っているんですよ。とことんクリーンで行こうと思えばいけるし、ラウドにディストーションかまして行こうと思えば右出るものはいないでしょう?シンプルですよね。シンプルだけにディープですよね。トーンをいじっていて「あ、ここを上げればこうなるのか~」なんて発見は今でもあります。ディープだからどんな要求にも応えてくれる。マーシャル以外のアンプを選択する理由がないんです。僕にはね!

ルーク篁のJVM

ルーク氏はDSL100を愛用してきたがメインをJVMに変更。DSLはサブとして使用している。
Canta_jvm

氏が使用しているキャビネットは70年後期製の1960AXだが、向って右側は度重なるユニットの交換を経て現在はトータルインピーダンスが8Ωの仕様になっている。

Luke_jvm_dsl
シリアルループに接続したエフェクターをMIDIでコントロール。使用しているチャンネル/モードは、クリーン系のバッキングでクランチ/グリーン。その他の歪み系のバッキングではクランチ/オレンジとOD1/オレンジ、さらにソロ時にはOD2 /レッドを使用している。JVM使用法のお手本のような使い方。どのチャンネルも恐ろしくヌケがよく、上品な鳴りをしている。

Lukejvm

清水保光のVintageModern

正統派ハードロック・バンド、CYCLONE率いるベテラン・ギタリスト、清水保光氏もVintageModernを愛用している。彼の超高速ピッキングのニュアンスを表現するにはVintageModernのレスポンスとダイナミクス、そしてファットなトーンが欠かせないのだ。

Yasumitsu_shimizu_standing

氏はセンド&リターンを使用せず、エフェクターはギターとアンプも間に接続している。DYNAMIC RAGEは常にHIGHに設定。ソロの時にはオーバードライブをオンにし、クリーン・トーンを出す時にはギターのボリュームを下げることによって作り出している。

Yasumitsu_shimizu_2466

セッティングはDETAIL 7、BODY 6、TREBLE 5、MIDDLE 6、BASS 7、REVERB &PRESENCE 0、MASTER 6.。EQはほとんど中点。やはり、PRE-AMP VOLUMEで大方のサウンド・キャラクターを作っている。

Yasumitsu_shimizu_head

フランクフルトMUSIK MESSE2008レポート2

マーシャル・オフィシャルグッズ売場です。帽子からマウスパッドまで大人気。一番の人気はやはりTシャツ。写真は撮影時に売場を担当していたエリーとマーク。

Ellie_mark_2

爆音で演奏可能なデモルーム。出演は今回が初となるポール・ギルバート。そして、おなじみクリス・ジョージ・バンド。クリスは1959RRをデモ。うっとりするような極太なマーシャル・サウンド。とてつもない爆音ですが、その美しいトーンゆえあまりうるさくは感じません。堅実なベース・ラインが身上のロブ・ワインフィールド、そしてクリスピーなドラムはフランス人、ファリッド・メジャーン。

Chrisgeorgeband

最高に楽しいポールのデモは1日に1回、約1時間。毎日立錐の余地がまったくないほどの大入りです。ポールも大熱演。お気に入りのVintageModern2266Cの説明にも余念がなく、あたかもマーシャル・ロードショウのようです。ポールはDynamic RangeをHighにセットし、歪み系エフェクターを併用。バラードでのクリーンアルペジオではHighのままでギターのボリュームを下げて一瞬にして図太いクリーンサウンドを出します。また、弾き方に強弱をつけただけで音色を変えて見せたりもしてくれました。「レスポンスのよさ」について何度も強調していたのが印象的でした。

Paul_demo

今回は頻繁にサイン会が開かれ、スラッシュもサイン会に駆けつけてくれました。

Signingsession_board

どのサイン会もブース内は足の踏み場もないくらいの大盛況!

Busy2

昨年は参加できなかったジム・マーシャルも健在な姿を見せサイン会を開催しました。そして昨年同様ケリー・キングを迎え、今年はさらにポール・ギルバートとスラッシュのサイン会も開かれました。たくさんのファンでブースがあふれ返ったのは言うまでもありません。ケリーもポールも実に丁寧にファンのリクエストに応え、ファンの皆さんも大喜びです。

Paulgilbert_signingsession

そして、撤収。また来年も楽しい新商品の発表をご期待ください。

Tearingdown1

Tearingdown2

フランクフルトMUSIK MESSE2008レポートおわり

フランクフルトMUSIK MESSE2008レポート

今年も去る3月12日から15日まで恒例の世界最大の楽器展示会、Musik MESSEがドイツのフランクフルトで開催されました。

Venue

マーシャル・ブースの入り口。ジム・マーシャルの巨大な写真でお出迎えです。

Entrancejim

今年のマーシャルのブースは昨年と同じデザイン。使用しているアーティストをフィーチュアし、上へと伸びた展示ですっきりとした印象を与えます。

Standbirdseyeview_2

ブース正面の壁に展示されている現在活躍中のギター・ヒーローたち。奥からスラッシュ、ゲイリー・ムーア、ヤニク・ガース、レミー、ジェフ・ベック、デイヴ・マレイそしてザック・ワイルド。

Guitar_heroes

世界中で大ヒットしているJVM。1月のNAMMで発表された2チャンネルのJVMを本格的に紹介。自慢のフットスイッチの巨大ディスプレイが目を引きます。

Jvm_outside

アーティストはご存知メガデスのデイヴ・ムスティン。曰く、「俺が死んだらJVMも一緒に埋めてくれよ。さもなきゃとんでもネェことになっちまうゼ!」

Jvm_davemustine

プロ・ギタリストからとてつもなく高い評価を得ているVintageModernは削りに削って3人のギタリストをフィーチュア。今回のMESSEに参加したポールの惚れ込みようといったら!(後出)
ポール・ギルバート「VintageModernのKT66パワー管のクリップサウンドはこたえられないよ!弾き出したら止めらない!」

Vm_paulgilbert

ダグ・アルドリッチも大のVintageModernファン。「まったくスゲェアンプだぜ!オレはこのサウンドを30年以上探し続けてきたんだ。そして今、飛び出して来やがった!マジでスゲェ!」

Vm_doug

スラッシュもVintageModernがお気に入りです。「VintageModernにゃマイッちまう!あんたらが作ったアンプに首ったけだ。他のやつらもみんなそう思うに違いネェ…」

Vmslash

おなじみのモデルももちろんディスプレイされています。Handwiredシリーズは実際に1974Xを使用しているゲイリー・ムーアをフィーチュア。

Hw_garymoore

ザック・ワイルドはVintageシリーズでも登場。

Vintage_zakk

MGシリーズはスタティックXのウェイン・スタティックをフィーチュしています。

Mg_waynestatic

ピエール・ベンスーザンをフィーチュアしたアコースティック・アンプASシリーズはヨーロッパではベスト・セラーになっています。

Backstreet

昨年シリーズが完結したMB。先行発売されていたMB15、MB30はすでに世界的にエントリー・ベース・アンプのスタンダードになりました。アーティストはメタリカに曲を提供しているブリッツクリーグのポール・ブリュイス。

Mb_paulbrewis

好調なシグネイチャー・シリーズ。ケリー・キング・シグネイチャーのJCM800 2203KKはその超ド級のディストーション・サウンドで注目を集めています。

Zakk_kerry

先のNAMMショウで発表されたランディ・ローズ・シグネイチャー1959RRと今回はじめて陽の目を見たレミー・シグネイチャー1992LEM。

Randy_lenny

実際にランディ・ローズが使用していた1959を回路まで完璧に再現した1959RR。日本での発売は5~6月頃の予定です。近日その詳細を日本版マーシャル公式ウェブサイトで発表いたします。

Randy_enlarged

今回はじめて発表されたモーターヘッドのレミーのシグネイチャー・スーパーベース1992LEM。70年代、SUPER BASS1992はベースアンプのスタンダードでした。今でもその独特のサウンドの愛好者が後をたちません。レミーはオリジナルの1992を改造し、若干高域をリッチにしました。その完全クローンがこの1992LEMです。世界250台の限定発売となります。こちらも近日詳細を日本版マーシャル公式ウェブサイトで発表いたします。

Lemmyenlarged

「フランクフルトMUSIK MESSE2008レポート2」につづく

ポール・ギルバート、マーシャルを語る

我等がポール・ギルバートがマーシャル・ブログのオープンを記念してインタビューに答えてくれました!マーシャルへの熱い想い、VintageModernの使い方など充実した内容でお届けします!


マーシャルとの出会い

YMT(以下Y):月並みな質問ですが、マーシャルとの出会いについてお聞かせください。いつ、どこで、どうやって?

Paulgilbert ポール・ギルバート(以下P):僕が11歳、ギターのレッスンを受け始めた時だよ。先生に最高のロック・アンプは何かと訊いたんだ。「MARSHALL」と答えてくれたよ。

そのころはとても小さい町に住んでいてね、そこにはたった2軒しか楽器店がなかったんだ。それもトランペットやドラムのような学校のマーチングバンドで使う楽器しか取り扱っていなかった。だからマーシャルにトライすることはできなかったんだ。

僕の最初のライブでのマーシャルの体験はちょうどロックコンサートに行き出したころのことだね。ヴァン・ヘイレン、UFO、パット・トラヴァース、サクソン、ランディ・ローズがいたころのオジー・オズボーン、そしてデフ・レパード。これらのバンドはすべてマーシャルのスタックを使っていた。そしてギターのサウンドはチョー最高だったね!

それからマーシャルを使っていた地元のバンドを聴きに行った。そこは小さなクラブだったのでアンプの音がしっかりとチェックできたんだ。そのギタリストのサウンドはとんでもなく素晴らしくて、正真正銘マーシャルのサウンドだった。そのアンプがメチャクチャ欲しくなったのを覚えているよ。

Y:一番最初に手に入れたマーシャルは?そして、その後のマーシャル・キャリアを教えてください。

P:15歳の時、1974年製の50W MKIIが$250で売りに出ているのを見つけんたんだ。その時の僕には大金だった。でもお父さんがお金を貸してくれたんだ。そうしてそのマーシャルをゲットすることができた。家に持って帰って鳴らしてみた。そう!もう途方もなくデカイ音だったよ!マスターボリュームがないモデルだったもんだから歪ませるには思い切りボリュームを上げなきゃならなかったんだ。そりゃものすごい爆音だよ!!でも、音はすごくよかったな。その後、お父さんがマスターボリュームをつける方法を探してきてくれたおかげで小さい音でもアンプを歪ませることができるようになったんだよ。
そのアンプはレーサーXの最初の2枚、”Street Lethal”と”Second Heat”でも使ったんだ。残念ながらレコーディングをする友達に貸したところ、彼の車から盗まれちゃったんだよ!!

お気に入りのマーシャル・サウンド

Y:お気に入りのマーシャル・サウンドは?具体的にアーティスト名やアルバム名などを挙げていただいても結構です。

Paulgilbert2 P:マイケル・シェンカーとルドルフ・シェンカーはふたりとも最高のマーシャル・サウンドを出すよね。僕は「UFOライブ(Stranger in the Night)」でのマイケルのサウンド、それから「ラヴドライヴ(Lovedrive)」や「蠍魔宮(Black Out)」のルドルフのサウンドが大好きなんだ。
僕はいまだにサウンドチェックのときはいつでも「ブラック・アウト」のリフを弾くんだよ。それから「大いなる野望(Corridors of Power)」のゲイリー・ムーアのサウンドもいいな。もちろん、モンタレーの時のジミ・ヘンドリックスのサウンドもはずせない。

VintageModernについて

Y:もし差し支えがなければ今のVintageModernのセッティングを教えてもらえませんか?

P:まずMID BOOSTをオンだ。そしてDYNAMIC RANGEをHIGHにセットして…

BODY              : 6
DETAIL            : 4
TREBLE            : 5.5
MIDDLE            : 3.5
BASS              : 7
PRESENCE          : 6
MASTER VOLUME     : 8
REVERB            : 0

ってところ。
もちろん、会場の音場によって調整するよ。たいていは自然なブライト感を出すようにするんだ。もし、会場がデッドの時にはDETAILやTREBLEをあげるかな。REVERBもホンノ少し。

Y:あなたはよく50Wアンプをお使いになりますが、100Wを使わない何か特別な理由があるのですか?

P:僕はパワー管をフルに働かしたサウンドが好きなんだ。そうすると100Wのアンプは僕が演奏するような現場では音が大きすぎちゃうんだね。

Y:マーシャルに限らず、一般的にアンプのお好みのセッティングというものはありますか?例えば、いつでもMIDDLEはフルにしているとか…。

P:新しいアンプを試す時にはまずギターのボリュームを低くするんだ。(10のうちの)2とか3位かな。アンプがどうクリーンになるか見るんだ。そして純粋なトーンを確かめる。それからゆっくりとギターのボリュームを上げていってオーバードライブの具合を見る。サスティン、コンプレッションを得るために充分に歪ませる。でも弾き終えた場面ではノイズやハウリングが起こらないようなクリーンさもなければならない。

試してみたいマーシャル

Y:試してみたいマーシャルはありますか?もし、モデル名がわからなければ、「誰それの何々」という感じでも構いません。

P:いつもマーシャルの公式ウェブサイトに見入って空想にふけっているんだよ!実際、最近2061Xを手に入れたんだ。まず最初に、見た目がメチャカッコいい!! すごく小振りでノブが4ケしかないのもいいね!これから発表されるビリー・シーンのソロ・アルバムの中の曲のギター・ソロで使ったんだ。それから、これから発売が予定されているニール・モースのアルバムでも使ったよ。とにかくピュアなギター・トーンが素晴らしいし、グッとボリュームを上げた時がたまらなく気持ちいいんだ!

一方では1987Xも試したいと思っているんだ。僕が最初に手に入れたマーシャルとそっくり同じだし、初期のレーサーXの作品で使っていたヤツだからね。もう一度あのトーンを試したいんだ!

そしてもちろん、ランディ・ローズのシグネイチュア(1959RR)!ランディのサウンドは僕が人生で聴いたヘヴィ・メタル・ギター・サウンドの中で最高のものだよ。僕は15歳の時に2度ほど彼を見た。2回ともその素晴らしさに打ちのめされちゃったよ!

最近の活動状況

Y:マーシャルに関係した最近の活動状況を教えてください。言い換えればマーシャルを使って最近はどんな活動をされているんですか?

P:去年G3のツアーのために2X12”のVintageModernコンボ(2266C)を買ったんだ。毎晩2266Cを劇場で使っていたのでパワー管をフル稼働させることができて、このアンプのテストには最高だった。このアンプのパワー管は特別なんだよ。KT66のサウンドはとてもウォームで倍音を出しまくるんだ。このサウンド、この感覚、言うことないね!! 
2×12”コンボだというのにジョー・サトリアーニやジョン・ペトルーシのサウンドと互角に渡り合うことが出来るんだよ!

そのツアーの後、家に戻ってVintageModernでニューアルバム「咆哮(Silence Followed by a Deafening Roar)」をレコーディングした。たくさんの人からギター・トーンについてのお褒めの言葉をいただいたよ!本当にVintageModernは他とは一線を画したアンプなんだ。

ライブとレコーディング

Y:マーシャルをレコーディング・スタジオで使うときとライブで使う時、明らかに区別していることは何かありますか?もしそうであれば何を、どうしていますか?

Paulgilbert3 P:アンプのセッティングの最も大きな要素はマスター・ボリュームをいかにセットするかだ。小さな会場ではそれほど大きな音は出せない。他の楽器とのバランスがあるからね。最近はギター・クリニックをよくやるんだけど、大抵は大きな音を出せない会場が多いよね?そういうときにはTHD Hot Plateを使うんだ。マスターボリュームを上げるためのアッテネーターだね。家でも使っているよ。僕のスタジオは完全な防音ではないからね。近所の人々を怒らせることなくパワー管をフル稼働させるには便利だね。

VintageModernのすすめ

Y:音のよさだけでなく、レスポンス、弾き心地等も含めてVintageModernのよいところを教えてください。

P:VintageModernは本当に美しいトーンを持っていると思う。今まで過去に使ってきたアンプのいくつかは「紙やすり」みたいな感じがする。そこへいくとVintageModernはまるで「七色の小石」という感じだね。それからシンプルなところも好きだな。マルチチャンネルのアンプは使ったことがないんだ。もしクリーン・サウンドが欲しければ、ただギターのボリュームをさげてやればいい。もしもっとサスティンやディストーションが欲しければオーバードライヴ・ペダルを使えばいい。僕がアンプに欲するのは最高の音を出すチャンネルがひとつあればいいということだ。VintageModernは完璧だね!

Y:最後に日本のファンの皆様にマーシャルについてひとことお送りしてあげてください。

P:まだ子供のころ、僕のおじさんがアンプに関するアドバイスをくれた。彼が言うには「アンプには“楽器屋アンプ”というものと“ライブ・アンプ”というものがある。つまり、楽器屋さんでアンプを試奏するときは大きな音では弾けない。だからエフェクターを山ほどつなぐか、ギンギンに歪ませやらないとそれらしくないんだ。何しろ音が小さいからね。でも、アンプをステージに乗せてバンドとともに観客の前に出るときには、他の楽器から抜きん出て、最高にクリアで豊かな倍音を出すアンプが必要になる。おじさんのサウンドはその通りだった。彼のアンプはもちろんMarshallだったよ!

僕のアドバイスは、「バンドといっしょに爆音でマーシャルを鳴らして世界中をロックしよう」だ!

Y:どうもありがとうございました。

P:Thank you!

*2008年4月11日、emailを通じて本人にインタビューしました。

2008年4月18日 (金)

マーシャル・ブログ・スタート!

ただ今準備中です。

マーシャル・ブログはマーシャルに関する情報だけでなく、マーシャルを愛するミュージシャンの情報や読み物、ライブ・レポートなどを写真満載でお届けします。

是非、ご期待ください!